横浜市教委の裁判傍聴妨害 動員は法律違反と結論 検証チーム報告書

AI要約

横浜市教育委員会が教員による性犯罪事件の裁判で傍聴妨害をしていた問題について、弁護士の検証チームが報告書を公表。傍聴への大量動員は地方教育行政法違反であり、公開裁判の原則に反すると指摘。

報告書によると、動員は被害者支援の要請をきっかけに行われ、疑問視されていた市教委関係者の主張もある。

竹森裕子弁護士は「事前の意向確認や一般傍聴席への影響があった」と説明し、出張旅費や労務対価についても言及された。

横浜市教育委員会が教員による性犯罪事件の裁判で傍聴妨害をしていた問題で、弁護士の検証チームは26日、検証結果の報告書を公表し、傍聴への大量動員は市教委の職務ではなく地方教育行政法違反であり、憲法が定める公開裁判の原則の趣旨に反すると結論づけた。

報告書によると、傍聴への動員は被害者支援のNPO法人の要請をきっかけとし、令和元年度から6年度までの4件の裁判の公判計11回に延べ414人が動員された。

動員の目的について「身内の擁護」や「不祥事の隠蔽」はなかったとする一方、市教委関係者の「被害児童生徒の二次被害の防止」という主張に疑問が残ると指摘した。

検証チームの竹森裕子弁護士は「被害児童、生徒のためなら、事前に保護者、代理人に意向を確認すべきだが、確認が取れていなかった案件があった」と説明。保護者や、被害者支援にあたる児童相談所の職員が一般傍聴席に座れなくなったケースもあったという。

動員の出張旅費は12万7622円、傍聴の労務対価は343万4037円に上ったが、命令に基づいており職員に返還義務はないとした。

同市の山中竹春市長は「教育行政の信頼回復に向けた取り組みを支援していく」とコメントした。