30代のFIREファミリー、2人の子育て期間の「家計」を語る。年間予算は約4800万円(海外)

AI要約

ドゲン夫婦は30代でリタイアし、年間予算約30万ドルでサンフランシスコで子育てをしている。

彼らはインデックス投資と副業で収入を得ており、将来の支出を賄える状況にある。

サムは家族のための快適な生活を提供するために資産を有効活用し、将来に備えて積極的な資産運用を考えている。

30代のFIREファミリー、2人の子育て期間の「家計」を語る。年間予算は約4800万円(海外)

ドゲン夫婦は30代でリタイアし、約30万ドル(約4800万円)の年間予算でサンフランシスコにて2人の子どもを育てている。

彼ら夫婦はインデックス投資と副業で、数十万ドル(数千万円)の収入を得ている。

現在の支出と収入はほぼ同額だが、じきに6万ドル(約960万円)ほど収入が費用を下回るという。

ドゲン夫婦はともに30代半ばでリタイアし、2010年代中盤からフルタイムで働いておらず、約30万ドル(約4800万円、1ドル=160円換算:以下同)の年間予算でサンフランシスコで2人の子どもを育てている。

フルタイムで働いている間は収入の80%以上を貯蓄することもあり、経済的自立を達成するためにその大半をインデックス投資に回した。つまり、働くのをやめても、将来の支出を十分に賄えるということだ。2人ともリタイアしたあと、2人の子どもを授かり、テニスコーチやUberの配達員などさまざまな副業で稼ぎ、現金で新しい家を買った。そんなことはFIRE(経済的自立と早期退職)のコミュニティでは稀だと夫のサムは言う。

サムはBusiness Insiderの取材に対して、4人家族の年間予算が来年ごろに約28万ドル(約4480万円)になるだろうと語った。これほど予算が高いのは、2人の子どもが大学に行くまで最高の生活を提供したかったからだ。

「子どもを抱えてFIREするのは、最強の秘密兵器のようなものだ。とりわけ本当に子どもを愛しているならば、子どもと一緒にFIREして、時間もお金もすべて子どもに注ぎたいと思うだろう。だが、生活費の高い町でそうするのは本当に大変なんだ」とサムは言う。

サンフランシスコを中心に銀行業界で13年勤務したのち、2012年にサムは経済的自立を達成した。リタイアまでにサムの純資産は300万ドル(約4億8000万円)を超えた。これは数年間「大学生のような生活」を送り、収入の大半を貯蓄に回したからだ。妻は2015年に35歳でリタイアし、第1子を出産するまでパートタイムで働いた。

サムは、生活費の高い町で2人の子どもを抱えて経済的自立を維持する方法を何年もかけて考えたと言う。

サムは昨年、サンフランシスコに大きな家を買わなければとストレスに襲われ、投資商品の一部を売却し、パートタイムでの仕事に戻った。家を買った理由の約7割は、愛情豊かな父親として、子どもたちが大学に進学するまで快適に生活できるようにするためだった。

サムは家を買った後何カ月も、高い買い物をしたことを後悔した。年収25万ドル(約4000万円)の職を投げうったときと同じような気分だった。20年間倹約生活をしてきたが、それを続けるべきだったのではないかと不安に駆られたのだ。だが最終的に、正しい判断を下したと思うことにした。

だがこれは、別のところで支出を切り詰めなければならないことでもある。昨年の予算では、サンフランシスコに住むこの4人家族は35万ドル(約5600万円)の収入を得て、税引後の純収入(確定拠出年金への拠出と基礎控除を考慮後)は22万3840ドル(約3581万円)だった。一方、経費の合計額は実質的に純収入に等しい。

年間経費の中で最も大きいのは住宅ローンの4万6800ドル(約749万円)で、次が不動産税の2万2320ドル(約357万円)だ。光熱費、不動産維持費、火災保険でさらに1万260ドル(約164万円)の費用が発生する。

保育園代やときどき頼む下の子のベビーシッター代が2万9400ドル(約470万円)、上の子のプレスクール代が年間2万4000ドル(約384万円)だ。家族の食費は2万5548ドル(約409万円)で、子どもの大学進学費用のために529プラン(教育資金税制優遇制度)に1万2000ドル(約192万円)拠出している。

健康保険代は1万200ドル(約163万円)、生命保険も2040ドル(約33万円)だ。ほかにも3回分の家族旅行費が7800ドル(約125万円)、スポーツや社交イベントなどの遊興費が6000ドル(約96万円)、子供用品が4200ドル(約67万円)かかる。

自動車ローンや自動車保険、維持費、ガソリン代など合計すると9360ドル(約150万円)に上る。また、年間の衣服代は4800ドル(約77万円)、慈善活動費は3600ドル(約58万円)、携帯代は1800ドル(約29万円)だ。

2024年9月からの経費を約28万ドルと予想する一方、新しい家を買うために昨年大量の株式と債券を売却したため、不労所得は税引き前で約27万5000ドル(約4400万円)ほどだ。健康保険代は助成金がないため月2500ドル(約40万円)に跳ね上がり、2人の子どもが通う中国語習得学校の月謝がさらに7600ドル(約122万円)のしかかる。

このようにして収入を計算すると、予想支出を6万ドル(約960万円)下回るため、実質的にもう経済的に自立しているとは言えないことにサムは気が付いた。今後数年間で再び十分な資産を積み上げ、不労所得が不足しないようにしたいのだ。

「子どもたちが家にいるうちに、可能な限り最高の家を買いたかった」とサムは言う。「子どもたちが大学に入って家を出たら、家をダウンサイズするだろうから、もっと良い家を買うようなことはない。家族のために良い家を買うために、11万ドル(約1760万円)ものパッシブ投資をあえて取り崩したんだ」

もっと生活費の安い地域に引っ越すことも考えたが、友人や知人との強力なネットワーク、この町の文化的な多様性、ハイテク企業が集中していることを重視した。またサムは、アジア系アメリカ人としてはサンフランシスコにいる方が他の多くの都市よりも安全に感じると言う。

「中西部に引っ越せば、住居費を8割削減できるという人は多い。だが、アジア系アメリカ人にとって、単純にメンフィスやヒューストンに引っ越せば済むという話ではない。これら都市は多様ではあるが、やはり(サンフランシスコとは)違う」

「大きな盲点は、生活費が安い場所ならどこでも住めるのは、FIREを追求する白人という点だ。マイノリティにとって(移住は)それほど簡単ではない」