給湯器転倒、温水使えず 水道復旧後も続く不便、能登地震

AI要約

能登半島地震による被害で、エコキュートや電気温水器の貯湯タンクが倒れることが多く、修理には時間と費用がかかる状況。

地震から半年が経過しても、多くの世帯がお湯が使えず入浴支援を利用する状況が続いている。

エコキュートの利点として、光熱費の抑制や断水時に緊急用水として利用できる点がある。

 能登半島地震では、ヒートポンプ式給湯器「エコキュート」や電気温水器の貯湯タンクが倒れる被害が相次ぎ、水道が復旧しても、多くの世帯でお湯が使えない生活を余儀なくされた。構造的に倒れる恐れが高い上、設置時期が古く国の基準を満たさないケースもあるとみられる。国民生活センターは「倒れるリスクを踏まえた上で、まずは設置説明書通りに施工されているか確認を」と呼びかけている。

 石川県輪島市の温泉施設「輪島カブーレ」では、地震から半年が過ぎた7月も、1日約200人が無料の入浴支援を利用する。

 近くの会社員吉浦虎峰さん(26)は、自宅室内に設置していたエコキュートが倒れた。すぐ業者に修理を依頼したが、見積書が届いたのは7月。費用は約100万円で、修理時期のめども立たない。当面は入浴支援を利用する予定だ。「利用時間は限られるし、施設によっても違う。自宅の風呂が使えたら…」とこぼした。

 日本冷凍空調工業会などによると、エコキュートは光熱費を抑えられ、断水時はためた水を緊急用水として使えるメリットがある。