給食ない夏休みに「子ども弁当」を 行き詰まったNPO手伝う大学生

AI要約

神奈川県藤沢市で始まる「子ども弁当」プロジェクトは、給食のない夏休み期間中に100円で弁当を提供する取り組みだ。

NPOと飲食店が連携し、増える注文を処理するためにサイトを構築したのは大学生たちだった。

助成金を受けながら提供数が増え続けるプロジェクトは、子どもたちに食事の支援を届けるために成長している。

 給食のない夏休み期間中、昼食に困る子どもたちに100円で弁当を提供する「子ども弁当」が22日から、今年も神奈川県藤沢市で始まる。地域のNPOと飲食店がタッグを組んだ取り組みで、増え続ける注文をさばくサイトをつくったのはボランティアの大学生たちだった。

 NPO法人「湘南まぜこぜ計画」の呼びかけに応じた飲食店が、希望する家庭に弁当を提供する仕組みで、コロナ禍の2020年に始まった。

 店側は1食につき、利用者から受け取る100円のほか、NPOから300円の助成を受ける。1年目の夏休みに261食だった提供数は、昨年は1184食に増え、数店だった協力店も今年は19店にまで増えた。

 だが、提供数が増えるにつれ、注文と管理が課題になってきた。決まった弁当を配るのではなく、利用者が好みの店を選んでテイクアウトする方式を採用し、前日夕方まで注文ができるようにしたからだ。

 当初はNPO共同代表で市議の原田建さん(59)がSNSなどで希望家庭とやりとりしていたが、限界に。見かねて助け舟を出したのが、子どもたちへの学習支援ボランティアなどで原田さんと交流がある大学生たちだった。

 2年前から、利用者がスマホなどで入力できるサイトづくりを試行錯誤し、今年は情報技術などを学ぶ鎌倉市の大学生、遠藤貴也さん(22)らが引き継いだ。

 5月から原田さんを交えてオンラインで議論し、文字がわかりやすく見やすいデザインや操作性のよい入力フォームをめざして改善を重ねてきた。

 遠藤さんは「子どもと地域のお店や大人との間にコミュニケーションが生まれるステキな企画」と語り、「僕たちがうまくシステム化できれば、藤沢だけでなく全国の有志を後押しできる」と目を輝かせる。

 原田さんは「地域の子どものために、役に立ちたいと思う大人がこんなにも多いのは街の誇り」と話す。「特に、若者たちの頑張りは希望です」

 申し込みは原則小中学生の保護者から。収入や世帯構成など細かな条件を問わないのが特徴で、「子どもの食事の用意が困難」と感じた人が1回から利用できる。申し込みは原田さん(090・5449・1160)、またはQRコードから。(足立朋子)