“神育児グッズ” 電動鼻水吸引器 1日何回まで? 何歳まで使えるの?

AI要約

子どもの鼻水対策には電動の鼻水吸引器が便利だが、過度の吸引は症状を悪化させる可能性もある。

鼻水は適度に必要だが、過剰な分泌は鼻の中で細菌やウイルスが繁殖しやすくなるため、吸引やはなかんで取り除くことが重要。

子どもの鼻の特徴や電動鼻水吸引器のメリット・デメリットについても解説されている。

“神育児グッズ” 電動鼻水吸引器 1日何回まで? 何歳まで使えるの?

花粉症、夏風邪、感染症...一年を通じて悩ましい子どもの鼻水対策に、「神育児グッズ」とも呼ばれる電動の鼻水吸引器があります。「親に風邪をうつしにくい」「粘り気の強い鼻水を吸引できる」「病院へ行かずに済む」と重宝される一方で、「過度の吸引は逆に症状を悪化させる?」など不安の声も。電動の吸引器は1日何回まで? 何歳まで使っていいの? 東北医科薬科大医学部耳鼻咽喉科学の太田伸男教授に聞きました。

(おおた・のぶお) 東北医科薬科大耳鼻咽喉科学教授。東北医科薬科大病院耳鼻咽喉科長。同病院アレルギーセンターセンター長。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会代議員・耳鼻咽喉科専門医。日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会評議員。日本鼻科学会代議員。アレルギー性鼻炎の基礎的、臨床的な研究に取り組んでいる。

――鼻水は吸引した方がよいのでしょうか

鼻水には、鼻の中の加温のほか、細菌やウイルスなどの有害なものが体内に入るのを防ぐ役割があります。一方で、風邪やアレルギー性鼻炎によって分泌が過剰になり、長い間、鼻水が鼻の中にとどまると細菌やウイルスが繁殖しやすくなります。中耳炎など、鼻とつながっている耳やのどに影響が出ることもあります。鼻水は適度に必要ですが、過剰な鼻水は吸引するか、はなをかんで取り除くことが大切です。

――子どもの鼻の特徴を教えてください

鼻は中がトンネルのようになっています。子どもの鼻の穴は大人に比べて狭いので、鼻水がくっつくと鼻が詰まりやすくなります。特に母乳を飲んでいるお子さんは、口ではなく鼻で息を吸うので、鼻が詰まって呼吸がしにくいと日常生活に大きな支障が出てしまいます。

――吸引器には様々なタイプがあります。電動鼻水吸引器のメリットとデメリットを教えてください

値段やお子さんとの相性もあるので、どの吸引器でも良いと思います。大切なのは吸引器を複数の人で使い回さないことです。きょうだいで一つの吸引器を使い回すと、ある子がインフルエンザで、別の子が新型コロナだった場合、お互いに病気をうつしあってしまいます。

手動の吸引器は吸引力が弱かったりして、使う人によって吸い込む圧力に幅が出てしまい、うまく鼻水が吸い取れないかもしれません。また、保護者が口で吸うタイプは、保護者に風邪などの病気がうつるリスクもあります。電動は一定の圧力で吸引するので、鼻への負担は均等で安全です。ただ、長い時間続けて吸引すると、飛行機が上昇する時と同じような状態になって、耳が痛くなり、子どもが吸引を嫌がるようになってしまいます。