「仕事としてです」“ワインおねだり”疑惑 知事が「PRのため」提供受けたと認めるも具体的な宣伝せず
兵庫県知事がパワハラやおねだりの疑惑についての百条委員会が開かれ、音声データを提出される事態に。
元県民局長の告発により問題が浮上し、その後元県民局長自殺という悲劇が起きている。
特産品ワインの提供を受けたと認めつつ、具体的な宣伝はしていなかった。
兵庫県知事がパワハラやおねだりなどをしたとされる疑惑。
19日、斎藤知事が特産品のPRのため”ワイン”の提供を受けたと認めました。
一方で具体的な宣伝はしていなかったということです。
【吉原功兼キャスター】「これから百条委員会が開かれます。委員が続々と部屋に入っていきます」
19日午後1時半の兵庫県庁。
多くの報道陣が注目する中、百条委員会が始まりました。
【百条委員会・奥谷謙一委員長】「ただいまから文書問題調査委員会を開会いたします」
問題の発端となったのはことし3月、元西播磨県民局長の男性(60)が斎藤知事のパワハラや贈答品のおねだり疑惑などを告発したことでした。
【斎藤元彦知事(ことし3月の記者会見)】「事実無根の内容が多々含まれている。業務時間中なのに嘘八百含めて、文書を作って流すという行為は公務員として失格です」
兵庫県は”事実無根”として元県民局長を懲戒処分に。
しかしその後、一部のパワハラ疑惑が事実だったことが判明したのです。
告発を調査するため、県議会の百条委員会が設置されましたが、今月7日、元県民局長が死亡しているのが見つかりました。自殺とみられます。
【吉原キャスター「兵庫県庁前です、県民の方が100人近くいます。斎藤知事の辞職を求めて抗議活動を行っています」
【抗議する県民】「百条委員会でしっかり説明しろ!」
そして19日午後始まった3回目の百条委員会では、冒頭に元県民局長へ黙とうが捧げられました。
本来この場に、出頭するはずだった元県民局長。
証言は不可能になりましたが、関係者によると「死をもって抗議する」という主旨のメッセージとともに陳述書と音声データを残していました。
記録されているのはおととし11月、兵庫県上郡町で開かれた会合で、斎藤知事が関係者に特産品のワインをねだったとみられる発言です。
百条委員会ではこのデータなどについて取り扱いを審議。
【百条委員会・奥谷謙一委員長】「ご遺族から、本人から託された資料として、7月12日に電子メールにて、陳述書等の資料2件と音声データ1件の提出がありました。委員会資料として採用したいと思いますが、これにご異議ございませんか」
【出席者】「異議なし」
委員会の出席者から異議の声は上がりませんでした。
【百条委員会・奥谷委員長】「ご異議ないと認め、そのようにさせていただきます」
そして、実際に議場で”おねだり”とされる音声データが流されました。
【斎藤知事とみられる音声】「ワイン、私飲んでないので、ぜひまた。この間、いちごと塩はあれですけど…折を見て、よろしくお願いします」