斎藤元彦・兵庫知事の音声データ パワハラ疑惑告発した元局長残す

AI要約

兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題を巡り、元県西播磨県民局長の男性(60)が告発後に死亡した際、知事の発言を記録した音声データや陳述書が残されていたことが判明。

元局長が百条委に提出した音声データや陳述書は、知事の公務中の発言やその他の重要な内容を含んでおり、調査資料として利用される可能性がある。

斎藤知事は辞職を否定し、引き続き県政を担当する意向を示しており、元局長の遺族は調査を重く受け止めるよう要望している。

斎藤元彦・兵庫知事の音声データ パワハラ疑惑告発した元局長残す

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題を巡り、告発後に死亡した元県西播磨県民局長の男性(60)が疑惑に関連する知事の発言を記録した音声データや陳述書を残していたことが判明した。県議会調査特別委員会(百条委)は19日の会合で調査資料とするか決める。

 ◇百条委に備えた陳述書も

 一方、斎藤知事は16日の定例記者会見で「より良い県政を目指すのが私の責任だ」などと述べ、改めて辞職を否定した。

 16日に記者団の取材に応じた百条委の奥谷謙一委員長によると、音声データは1分弱。公務中の知事が2022年11月、話題に上った特産のワインについて「まだ飲んだことがない」などと関係者に求めるような発言が録音されていた。陳述書は百条委の質疑応答に備えた内容という。

 データや陳述書は元局長の遺族が12日に議会に提出した。元局長は「死をもって抗議する」「百条委は最後までやり通してほしい」といった趣旨のメッセージも残していたという。

 奥谷委員長は「調査をするうえで大変重要な資料と認識している。元局長の思いを重く受け止めて調査を進めたい」と述べた。

 元局長が3月に報道機関などに配布した文書では今回のワインの疑惑は含まれていなかった。

 斎藤知事は定例会見で「多くの負託を受けている」「県政を前に進めていくことが知事としての責任の果たし方だ」などと続投する意向を示した。自民県連会長の末松信介・元文部科学相が14日、事実上の辞職を求める発言をしたことについては「真摯(しんし)に受け止める」とした。

 一連の問題を巡っては、元局長が19日に開かれる百条委で証人尋問に応じる予定だったが、7日に死亡しているのが見つかった。自殺とみられる。また、知事の最側近だった片山安孝副知事が県政混乱の責任を取って辞職を表明している。【山田麻未、栗田亨、中尾卓英】