新たな変異株「KP.3」で第11波に突入か 熱中症と症状が酷似…発熱・倦怠感さらに感染力も強い 見分け方を医師が解説

AI要約

新型コロナウイルス「KP.3」と呼ばれる変異株が猛威を振るっており、感染力が高まっている。医療現場では院内感染や医療スタッフへの感染も増加している。

熱中症と新型コロナの症状が似ているため、鑑別が難しい状況。喉の痛みや呼吸器症状があるかを確認して見分ける必要がある。

「KP.3」の感染を防ぐためには、閉鎖空間でのマスク着用や手洗い、換気が重要。免疫力が低下しやすい夏季に感染を防ぐ対策が求められている。

新たな変異株「KP.3」で第11波に突入か 熱中症と症状が酷似…発熱・倦怠感さらに感染力も強い 見分け方を医師が解説

7月に入ってから新型コロナウイルスが再び猛威を振るっている。医師によると現在は「KP.3」と呼ばれる新たな変異株が流行中で、ワクチンや一度感染して体内にできた抗体をすり抜けるなど感染力が高まっている。

熱中症患者も増加する中、発熱や倦怠感など似た症状の新型コロナの患者とどう見分けるのか。埼玉慈恵病院の藤永剛副院長に注意点を聞いた。

ーー最近のコロナ患者の動向は?

7月に入ってから熱中症患者の数が増えると同時に新型コロナの患者さんも多くいらっしゃるようになりました。この2つは症状が似ているので鑑別にすごく手間がかかります。

コロナの致死率や重症度はこれまでと特に変わらないと思いますが、感染力は高くなってきています。そのため、院内感染や医療スタッフにも感染者が出るなど、現場に支障が出ています。

ーー熱中症とコロナの「共通する症状」と「見分け方」は?

両方とも発熱しやすく、頭痛やだるさ、筋肉痛があります。熱中症ということで救急搬送された場合でも、コロナの可能性が否定できない時は、必ずコロナの検査も同時に行います。

症状的にはコロナの場合は気道から入ることが多いので、咳が出たり、喉が痛い、息苦しいといった「呼吸器症状」が特徴になります。

一方、熱中症はどちらかというと「脱水症状」が出てくるので、喉がすごく渇くとか、大量に汗をかいたとか、足の筋肉がつったり、しびれたりといった筋肉痛の症状が出ます。

もう1つ手掛かりとなるのは、コロナの場合は、身近な人に熱や咳をしている“感染が疑われる人”がいないかを聞きます。熱中症の場合は、前の日ぐらいに蒸し暑い環境に居なかったかどうかがポイントになります。

またコロナに感染した上で熱中症も同時に発症している人もいるので、それも念頭に対応しています。

新たな変異株「KP.3」の感染拡大はどうしたら防ぐことができるのか。藤永副院長は、閉鎖空間で咳をしている人がいたらマスクを着用し、手洗いをしっかりするなど基本的なことを徹底することが大事だと話す。

ーー「KP.3」と呼ばれる変異株の流行の原因は?

1つは、コロナウイルス自体が変異して前よりも感染しやすい形になったことです。実際に患者同士や患者と医療スタッフ間の感染だけでなく、医療スタッフ同士の感染も結構あるため、細心の注意を払っています。

もう1つは、暑さや梅雨時で体調を崩す方が多くて、免疫力や抵抗力が弱くなって感染しやすくなっていることです。

変異株による重症化リスクは上がらなくても、免疫をすり抜けるようなタイプになってきているため感染力は間違いなく上がっています。

ーー今後感染を防ぐために必要な対策は?

夏は暑いので「マスクを着用」とは言いませんが、閉鎖空間の中で咳をしている人がいた場合はマスクをした方が良いです。また手洗いは感染予防になるので、人混みに行って何かに触れたならしっかりと手を洗うことをお勧めします。

そして、エアコンを使っている場合は時々換気することも忘れずに行いましょう。