「オスプレイは安全で信頼できる」暫定配備先の陸自木更津駐屯地 広瀬敏彦司令に聞く

AI要約

陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイの暫定配備が木更津駐屯地で始まり、10日で4年になった。6月19日には米軍岩国基地(山口県)から17機目が飛来し、暫定配備が完了した。

来年夏には佐賀駐屯地に移駐するため、訓練を積み上げながら体制を整える。操縦能力向上のためナイトフライトも実施する計画。

オスプレイは最高速度や航続距離が他の輸送機よりも優れており、島嶼防衛や災害救援、部隊の機動展開に活躍する。南西防衛の強化に重要な役割を果たす。

「オスプレイは安全で信頼できる」暫定配備先の陸自木更津駐屯地 広瀬敏彦司令に聞く

陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイの暫定配備が木更津駐屯地で始まり、10日で4年になった。6月19日には米軍岩国基地(山口県)から17機目が飛来し、暫定配備が完了した。来年夏には、本来の配備先である佐賀駐屯地(仮称)に移駐する。今の思いを、第1ヘリコプター団長兼木更津駐屯地司令の広瀬敏彦陸将補(54)に聞いた。

――6月19日はどんな思いで17機目を迎えたのか

「着陸の瞬間、『これで全17機がそろった。フル活用し、任務ができる体制を早く作り、部隊をしっかり育てなければならない』との思いを強くした」

――佐賀に移駐するまで残り1年。それまでどう訓練を進めるのか

「各種事態での対処能力を向上させるため、さまざまな訓練を積み上げる。駐屯地周辺では離着陸や緊急操作、ホバリングの訓練などを実施する。運用時間は主として午前8時半から午後5時までだが、操縦能力の向上のため、夜間に飛ぶこともある」

「昨年は沖縄・石垣島で離着陸訓練を行った。日米共同訓練でも米海兵隊のオスプレイと連携し、飛行訓練を実施した。今後はさらにこうした訓練の充実も図る」

--オスプレイとはどんな輸送機なのか

「今の輸送ヘリCH47の最高速度の2倍、航続距離は3倍だ。離着陸に必要な滑走路は必要なく、狭隘(きょうあい)地に適している。わが国の島嶼(とうしょ)防衛能力の強化に不可欠だ。島嶼部が侵攻を受けた場合には速やかに奪還するため、水陸機動団(長崎県佐世保市に配備)を迅速に輸送する。災害救援や離島からの急患輸送にも極めて有益な機体だ」

――搭乗経験は

「ある。指揮官として隊員の連携を確認した。非常に良く相互連携が取れており、頼もしかった。今後もできるだけ乗ろうと思う」

――オスプレイが南西防衛で果たす役割とは

「わが国はいま、戦後最も厳しく、複雑な安全保障環境にある。南西防衛の強化は極めて喫緊の課題だ。力による現状変更を許容しないというわが国の意思の表れでもある。オスプレイは、九州をはじめとする部隊を迅速かつ機動的に移動展開できる。攻撃からの抑止力、対処力を高めることにつながり、自衛隊の能力の向上が図れる」

--地元には、安全性を不安視する声もある