京アニ事件跡地にアニメ制作の場再建へ 制作力「戻ってはいない」

AI要約

京都アニメーション第1スタジオが放火され36人が亡くなった事件から5年を迎え、事件を後世に伝えるための碑が完成し、京アニが復興に向け努力している様子。

京アニは事件で大きな犠牲を払い、経験豊かな中核スタッフが多数失われたことで作品制作に影響が出ているが、新人採用や努力により人数は回復している。

制作拠点の再建や新作アニメの製作に向けて、京アニは努力を続けており、復興への意欲が感じられる。

京アニ事件跡地にアニメ制作の場再建へ 制作力「戻ってはいない」

 京都アニメーション(本社・京都府宇治市)の第1スタジオが放火され、36人が亡くなった事件から5年を前に、事件を後世に伝えるための碑が宇治市で完成し、14日に公開された。国内外のファンの心をつかんだ京アニは、事件で人材を失った。それでも作品づくりを続け、力を取り戻そうとしている。

 京アニには5年前、176人の社員がいたが、うち4割ほどが事件に巻き込まれて死傷した。事件後に新卒で55人を採用するなど、現在は約180人と同規模だが、亡くなった社員には経験豊かな中核スタッフも少なくなかった。

 作品の制作力について、「元に戻ったわけではない」と京アニの代理人を務める桶田大介弁護士は話す。事件後、人気アニメ「響け!ユーフォニアム」など複数の続編が劇場やテレビで放映されたが、完全な新作は出ていない。

 事件前に6カ所あった制作拠点のうち、主力だった第1スタジオを失った影響は大きい。制作の場を増やすため、ショップを作業場に変えるなど努力を続けている。京アニは第1スタジオの跡地に、アニメ制作に使う社屋を再建する予定だ。(茶井祐輝)