万博、自前パビリオン47か国「及第点では」…内装含め間に合うか?準備完了できるか焦点に

AI要約

2025年大阪・関西万博で、自前でパビリオンを建てる国の数は47となり、準備が焦点となっている。

参加国が自ら設計し、建設する「タイプA」のパビリオンは、デザイン性が高く「万博の華」と呼ばれる。施工業者の確保に苦労していたが、最終的には47か国が建設を進めることになった。

一部の国は設計を簡素化するなど工夫を凝らし、業者を見つけている。開幕まで9か月と迫る中、各国の準備が進められる状況だ。

 2025年大阪・関西万博で、自前でパビリオンを建てる国の数は47となった。当初の60からは2割減ったものの、多くの国が施工業者を見つけられない状況が続いただけに、地元自治体や経済界からは安堵(あんど)の声が上がった。開幕まで13日で9か月。今後は、全ての国が内装も含めた準備を完了できるかが焦点になる。

 「47あれば、個性豊かなパビリオンが立ち並ぶことになる」。大阪府の吉村洋文知事は12日、参加国の出展形式が固まったことを前向きに受け止めた。

 参加国が自ら設計し、建設する「タイプA」のパビリオンは、デザイン性が高く「万博の華」と呼ばれる。万博誘致を目指していた2017年9月、日本政府が博覧会国際事務局(BIE、パリ)に提出した提案書に記していたのは「50か国」だった。

 人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場面積や過去の万博の実績からはじいたという。実際には、タイプAを希望する国は想定以上に多く、60か国に膨らんだ。

 ところが、建設資材の高騰や人手不足を背景に、施工業者がなかなか見つからなかった。開幕約1年前の今年4月11日時点で、施工業者が決まった国は36にとどまっていた。関西経済連合会の松本正義会長は記者会見で、「40~45程度が立派に建てばいい」と述べ、大幅な減少を許容する考えを示していた。

 日本国際博覧会協会(万博協会)は、協会が建設を代行する簡易パビリオン「タイプX」や、協会が建物を用意し、複数の国・地域が共同で利用する「タイプC」への移行を促す一方、タイプAを希望する国には、担当職員が業者探しを助言。

 6月末で期限を切って出展形式を精査した結果、タイプAは47か国となった。43か国は施工業者が決まり、残る4か国も確保のめどがついたという。「北欧5か国」と「イタリア、バチカン」はそれぞれ一つの建物で出展するため、建物の数は42となる。

 ポーランドは、タイプAでの出展の見通しが立った国の一つだ。木材を使った複雑なデザインに対して工期が短く、多くの業者に受注を断られた。協会職員の支援を受ける中で、設計を簡素化すれば引き受けるという業者が見つかり、8月にも着工するめどが立った。エリザ・クロノフスカ・シヴァク政府副代表は「一時はあきらめるしかないかと思ったが、日本側は信じて待ってくれた」と話す。