UFO議連、宇宙人以外にも備え 安保の脅威、「国の独立守る」【政界Web】

AI要約

未確認飛行物体(UFO)を含む「宇宙規模の脅威」に備える超党派の議員連盟が発足。

日本政府に同等の組織設立を目指し、米国との連携を強化。

国内外でのUAP観測状況やUAP問題の国際的重要性が議論されている。

UFO議連、宇宙人以外にも備え 安保の脅威、「国の独立守る」【政界Web】

 中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発など日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、未確認飛行物体(UFO)を含む「宇宙規模の脅威」に備える超党派の国会議員連盟が6月に発足した。正式名称は「安全保障から考える未確認異常現象解明議員連盟」で、通称「UFO議連」。「ポスト岸田」有力候補の石破茂・自民党元幹事長もメンバーの一人で、「いかにして国の独立と国民の生命、財産を守るかという一点でやっている」と大まじめに語る。議連の背景や課題を探った。(時事通信政治部 川上泰斗)

 「空飛ぶ円盤」をイメージする従来のUFOを含め、現在は「未確認異常現象(UAP)」と呼ぶようになっている。発生場所もさまざまで、米国防総省はUAPを「空中や海、宇宙空間で発生する異常な現象」と定義する。

 超党派議連の設立趣意書はUAPについて「米国などでは国家の安全保障に影響を及ぼす可能性があると認識されている」と指摘。米国防総省はUAPを解明するため、専門組織「全領域異常解決室(AARO)」を2022年に設置し、国を挙げて取り組んでいる。

 議連は、日本政府にも同等の組織を設けることを主な目的に掲げた。趣意書に「わが国の情報収集・分析・識別能力の向上と米国との連携をさらに深化させるため、UAPに関する専門機関の設置を国に求める」とうたった。

 AAROが23年に公表した資料に、UAPの「ホットスポット」(頻発地帯)を表した地図がある。それによると、中東のペルシャ湾周辺や米東海岸付近に加え、日本海から西日本にかけての地域が赤や黄色で塗られ、UAPが多数観測されていることが分かる。

 「世の中には分からないことがいっぱいある。分からないことにどう対処するかだ。こういったところに予算配分することが極めて重要だ」。6月6日、国会内で開かれた議連の設立総会で、会長を務める自民党の浜田靖一国対委員長(前防衛相)が語った。

 自民、公明、立憲民主、日本維新の会など与野党から約90人が参加。幹事長は自民の小泉進次郎元環境相が務め、維新の馬場伸幸代表らがメンバーに名を連ねた。

 設立総会では、米国防当局の元高官が基調講演。「UAPは国際的協力を必要とする問題だ。日米が協力することにより、潜在的な脅威に対処し、真実を明らかにすることができる」と述べ、同盟国に連携を呼び掛けた。