批判の声1千件以上「どうしたらいいのか」 告発者死亡、副知事辞職に揺れる兵庫県庁 

AI要約

斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を告発し、懲戒処分を受けた元県西播磨県民局長が死亡した事件に関連して、副知事が辞表を提出する事態となった。

副知事は県議会との調整役を務めており、斎藤知事は再任を表明しているが、県内外から批判が寄せられている。

県職員は職場が混乱し、業務に支障が出ていると証言しており、閉塞感が広がっている。

批判の声1千件以上「どうしたらいいのか」 告発者死亡、副知事辞職に揺れる兵庫県庁 

兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を配布し、懲戒処分を受けた元県西播磨県民局長の男性(60)が死亡した問題は12日、ナンバー2として県議会との調整役などを担ってきた片山安孝副知事が斎藤氏に辞表を提出する事態に発展した。斎藤氏は同日夕に続投を表明したものの県には批判が殺到しており、職員の間で動揺が広がっている。

7月末に辞職する意向を表明した片山氏は人事課長や産業労働部長などを歴任。退職後、令和3年9月に知事の斎藤氏から「県政を熟知している」と副知事に登用され、人事や福祉などの部署を担当しながら議会との調整役を担ってきた。一方、パワハラ疑惑では県議会最大会派の自民党県議らに地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置しないよう求めるなどし、対応が問題視された。

県には7日に男性が亡くなって以降、1千件以上の批判や問い合わせが寄せられている。担当職員は「業務にも支障が出て現場は疲弊している」と明かし、幹部も「職員は周囲から『どうなっとんのや』といわれる。この閉塞(へいそく)感をどうしたらいいのか」と頭を抱える。

片山氏は同日午前の会見で「『私だけ先に去って』と非難されるかもしれないが混乱を招いた責任を取りたい」と説明。片山氏から5回にわたって辞職するよう進言された斎藤氏は同日午後の会見で「大変重い進言だが県政を前に進めるため、全力を尽くすことが最大の責任の果たし方だ」と辞職を否定した。