防衛白書、中国への警戒前面 中台緊張「高まる可能性」

AI要約

防衛省が2024年版防衛白書を公表。中国軍の活動範囲拡大への懸念や台湾海峡情勢の緊張を指摘。

木原稔防衛相が中国の軍事力増強と活動拡大を警告。特に西太平洋周辺での活動に警戒。

中国軍の台湾に対する脅威を分析し、実戦能力向上に関する懸念を示している。

 防衛省は12日、2024年版防衛白書を公表した。

 中国軍の太平洋側への活動範囲拡大などを踏まえ、中国の軍事動向に対する警戒を前面に押し出した内容となった。白書は台湾海峡情勢について「中国側の軍事活動活発化により、緊張が高まる可能性も否定できない」と危機感を示した。

 木原稔防衛相は巻頭言で「中国は軍事力を急速に増強し、尖閣諸島周辺を含む東シナ海や太平洋などで活動を活発化させている」と指摘。本文中では中国軍の活動範囲について、昨年版になかった「伊豆・小笠原諸島周辺を含む西太平洋などわが国周辺全体」との記述を加え、警鐘を鳴らした。

 中台関係については中国軍が「台湾を取り囲むように恒常展開する態勢を構築している」と分析。「台湾東西からの挟撃や第三国の介入阻止」を想定した訓練を増やし、実戦能力の向上を図っていると懸念を示した。