熱帯夜のエアコン使用どうしてる? 就寝中も熱中症リスクに注意

AI要約

ダイキン工業が実施した睡眠時の熱中症対策とエアコン使用に関する調査で、約7割の人が睡眠時や起床時に体の不調を感じており、この症状が熱中症の可能性を指摘されている。

高温多湿が熱中症の主な原因であり、適正な温度と湿度は熱中症リスクの指標である暑さ指数で確認できる。

エアコンの適切な使用方法や湿度管理によって熱中症を予防し、快適な睡眠を実現することが重要である。

熱帯夜のエアコン使用どうしてる? 就寝中も熱中症リスクに注意

 就寝中や起床時に感じるその倦怠(けんたい)感、熱中症かも――。ダイキン工業が実施した睡眠時の熱中症対策とエアコン使用に関する調査で、睡眠時や起床時に「体の不調を感じる」という人が全体の約7割に上ることが分かった。熱中症の可能性も懸念され、エアコンを効果的に使って熱中症予防に役立ててほしいと呼びかけている。

 ダイキンが6月、全国の20~60代の男女530人にインターネットで「熱帯夜の睡眠時や起床時に感じたことのある症状」について複数回答で尋ねたところ、「倦怠感」(45・7%)▽「異常に汗が出る」(18・3%)▽「体温が高い」(16・8%)▽「頭痛」(15・5%)――などが挙がり、計69・2%の人が何らかの不調を訴えていた。

 同社のニュースリリースの中で、帝京大医学部付属病院高度救命救急センター長の三宅康史氏はこうした症状について、「熱中症の可能性」を指摘している。就寝時に寝室が暑かったり、水分補給が十分できていなかったりすると、眠っている間に体の脱水が進み、熱中症のリスクが高まる。対策としてエアコンの適切な使用を挙げ、「見落としがちな湿度にも注意してほしい」という。

 熱中症の主な原因は、高温多湿。適正な温度と湿度は、熱中症リスクの指標「暑さ指数(WBGT)」で確認できる。指数が高まるに従って「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」へと熱中症リスクが高まっていく。

 一般的に快適な湿度は40~60%とされているが、WBGT簡易推定図(室内用)を見ると、気温30度の場合、湿度が50%でも熱中症への「警戒」が必要になる。

 湿度が低ければ汗が蒸発して、気化熱によって体温が下がる。湿度が20%変わると、体感温度は約4度変わるといわれ、ダイキンは「蒸し暑い夜にはエアコンで冷房や除湿をするなど、湿度管理にも注意して」と助言している。

 就寝中のエアコンの使用時間についてはどうか。熱帯夜にエアコンを使う人を対象に聞いたところ、「朝までつけっぱなし」とする人が46・1%、「タイマー設定」とした人が43・5%と二分した。

 同社は、エアコンを「つけたまま」と「切るタイマー設定」の2パターンでWBGTの変化を測定した。「つけたまま」の場合、指数は低い値でほぼ一定に推移したが、「切るタイマー設定」ではエアコンが停止した直後から指数が徐々に上昇し、明け方には「警戒」が必要な状況に達する可能性もあるという結果になった。同社は「停止する時間の設定など条件によっては、就寝中に警戒値に達することも考えられる。朝までつけっぱなしにした方が快適な睡眠につながる」とアドバイスしている。

 稼働し続けることで、気になるのがエアコンへの負荷。同社の担当者は「エアコンを連続で運転しても安全上の問題はなく、安心してご利用ください」とした上で、「長期間の連続運転を続けると、総運転時間が長くなるため、製品の寿命が縮まる場合があります」と話している。【嶋田夕子】