「ツシマヤマネコを守る会」山村辰美会長死去、80歳…「どうしたら共存できるのか」口癖だった

AI要約

長崎県対馬市のNPO法人「ツシマヤマネコを守る会」の会長である山村辰美さんが80歳で亡くなった。彼は31年間にわたりヤマネコの保護活動に取り組み、優しい島づくりを提唱した。

山村さんは20歳代にヤマネコとの出会いを経験し、その後1993年に会を結成し、会長に就任。休耕地での餌場作りなどの活動を通じて生態の資料を蓄積していった。

山村さんは共存の方法を追求し、ネコと自然の調和を模索していた。彼の息子や副会長は山村さんの遺志を継ぎ、保護活動を続けることを誓っている。

 長崎県対馬市のNPO法人「ツシマヤマネコを守る会」で会長を務めた山村辰美さん(対馬市上県町佐護西里)が5日、80歳で亡くなった。葬儀は近親者で済ませた。会の結成から31年間にわたって国の天然記念物ツシマヤマネコの保護に取り組み、人にもヤマネコにも優しい島づくりを訴えた。

 ヤマネコとの出会いは20歳代の時。山で父親のシイタケ栽培を手伝っている時に目撃し、その驚きと感動からカメラで姿を追い始めた。1993年に会を結成し、会長に就任。県職員の仕事をこなしながら、ふんの採集や痕跡調査、休耕地での餌場作り、保護区設置などを進め、生態の資料を蓄積していった。

 「どうしたらヤマネコと共存できるのか。餌を食べにくるネコはいいが、それ以外はどうしているのかと思うと、じっとしておれん」とよく話していた。

 次男で会社員の雄大さん(52)(福岡県太宰府市)は「朝から晩までヤマネコのことを考えていた」と振り返った。副会長の須川英之さん(71)は「長年にわたってヤマネコを全国に発信した功績は大きい。遺志を継いで保護活動に取り組んでいきたい」と誓った。