警察庁サイバー特捜部が初摘発 他人のIDで銀行サイトに不正アクセス疑い、44歳男逮捕

AI要約

警察庁サイバー特別捜査部と警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑で無職の男を逮捕した。

男は不正送金グループの指示役で、被害総額は1億2千万円以上とみられる。

犯罪グループの捜査により複数の実行役も摘発され、疑いが浮かれてきた。

警察庁サイバー特捜部が初摘発 他人のIDで銀行サイトに不正アクセス疑い、44歳男逮捕

他人のインターネットバンキングの口座に不正にログインしたとして、警察庁サイバー特別捜査部(サ特部)と警視庁などの合同捜査本部は9日、不正アクセス禁止法違反の疑いで、無職の矢野洋平容疑者(44)を逮捕した。不正送金グループの指示役で、グループによる被害総額は令和4年夏から5年春ごろまでの間で、1億2千万円以上とみられる。サ特部が4年4月に前身組織が発足して以降、国内で容疑者を摘発するのは初めて。

サ特部によると、矢野容疑者らは少なくとも10人以上で構成する不正送金グループ。他人から乗っ取った携帯電話を使って本人になりすまし、ログインしたネットバンキングの口座から不正送金を繰り返していた。

運転免許証の偽造や他人名義の暗号資産口座の作成、他人の携帯電話乗っ取りなど、それぞれの実行役に対し矢野容疑者が指示していたという。警視庁などは、今年3月までに9人の実行役を摘発。交流サイト(SNS)の闇バイト募集を通じて知り合ったとみられ、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の疑いがある。サ特部などは、実行役を摘発して押収した電子機器などの通信記録を解析する中で、矢野容疑者の関与を突き止めた。

逮捕容疑は、別の男=同罪などで起訴=と共謀し5年1月、他人のネットバンキング口座にIDとパスワードを入力し、不正にアクセスしたとしている。サ特部は認否を明らかにしていない。

サ特部の前身となる特別捜査隊は、大阪府警との合同捜査本部でインドネシア国家警察と共に捜査し、昨年、国家警察が容疑者を摘発していた。