小池氏再選もたった“2人”の女性知事「“女の戦い”が死語になる前の最後の年に」七夕決戦がもたらすものは?

AI要約

小池百合子氏が3期目の当選を果たした東京都知事選挙で、珍しく女性の有力な候補者同士が競った。ジェンダー平等に与える影響が注目される。

女性政治家同士の対決が当たり前となることで、ジェンダーの意識が変化していく可能性がある。

今後、女性候補者が増えると“女の戦い”という表現が過去のものになり、女性首長の登用にも注目が集まっている。

小池氏再選もたった“2人”の女性知事「“女の戦い”が死語になる前の最後の年に」七夕決戦がもたらすものは?

小池百合子氏が3期目の当選を果たした東京都知事選挙。3番手に終わった蓮舫氏ともに、日本では珍しく、女性の有力な候補者同士が戦った選挙でもありました。これからの政界のジェンダー平等に影響を与えるか?報道局ジェンダー班の庭野めぐみ解説委員が、ジェンダーと政治に詳しい上智大学の三浦まり教授に話をききました。

上智大学 三浦まり教授

「政治的なキャリアが長く、女性の政治家の中でも抜群に知名度のある2人の対決は“女性が政治に出るのが当たり前”というような感覚を広げていく画期になるのではないかと期待しています」

報道局ジェンダー班 庭野めぐみ解説委員

「そろそろ『女の候補者』とか『女性政治家』という言い方もやめたいとは思うんですよ」

三浦教授

「次世代の女性たちに与える大きな影響、ロールモデルの効果はとてもあるんではないかと思っています。他方、女性視聴者中心に、女性同士が戦う構図を面白おかしくしているメディアの報道に対しては批判的な声も上がってきていると思うんですね」

「今後多くの女性たちが立候補することになれば、もはや女性が出るのは“当たり前”。複数の女性同士が戦うのも“当たり前”になるので、わざわざ“女の戦い”なんて言うことは、死語になっていくのではないか。死語になる前の最後の年になるのではないかなと思っています」

庭野解説委員

「そもそも全国の都道府県や市区町村で今女性の首長はかなり少ないです。そういう現状をどう見ていらっしゃいますか?」

三浦教授

「おそらく今、特に首都圏中心に、女性リーダーが増えてきているから、“女性も首長になるのが当たり前”と思っている若い世代の人も多いと思うんです。でも、実際は女性首長の人数は1桁台です。現実とのギャップを知ると、女性の首長が出てきたことの意義はなお一層感じられるのではないかと思います」

「地方ではまだ“女性の候補者は初めて”ということが多いと思うんですよ。初の女性ということで、『今までと何か違う新しいことやってくれるんじゃないか』と期待値で投票される方が多いと思うんですね。でもだんだんと増えてくると、『実際に権限を持ったときにどれだけ新しいなにかを実現できたのか』というふうに有権者の目もより厳しく変わってくるんじゃないかなと思います」