【日本以上の世襲大国!フィリピン】夫妻と息子で知事・下院議員・市長を独占」する政治家ファミリー

AI要約

ネグロス島のドマゲッティでは政治家ファミリーが市長、下院議員を独占し、旦那と息子も政治家。金持ちな一族であり、ショッピング・モール経営もしている。

レイテ島のオルモック市では別の政治家ファミリーが市長、下院議員、市評議会メンバーを務める。立候補者はゴメス家の一員で、元モデルである市長のルーシーが3期下院議員を務め、その後市長選に勝利。

フィリピンの政治家ファミリーが地域の政治を牛耳る様子が描かれており、地方の選挙活動や家族関係が記事に反映されている。

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 3月26日、ネグロス島の東ネグロス州の中心都市ドマゲッティは人口13万人の学園都市。ホステルから約1キロ歩いて道端の屋台で朝飯。屋台は陽気な中年夫婦2人でやっており、用意した朝飯と軽食を売り切れば昼前には店をたたんで自宅に帰る。日除けの下でも暑いので扇風機を回してくれと女将に頼んだら故障していると。代わりに2枚の団扇であおいでくれた。

 2枚の団扇にはそれぞれに顔写真が貼ってあった。片方は女性でもう片方は男性。有名人なのかと聞くと旦那が「両方とも政治家だ。女はドマゲッティ市長で男は彼女の夫であり地元東ネグロス州選出の下院議員だよ。彼らの息子は東ネグロス州の知事をしている」と説明してくれた。

 なんと夫妻と息子で知事・下院議員・市長を独占しているのだ。ちなみに団扇は2022年の選挙で夫婦の選挙陣営から配られたというが、日本なら完全に選挙違反であろう。

 屋台の夫婦の話では政治家ファミリーであるサガルバリア家はショッピング・モールなどを経営している金持ち一族であり代々ドマゲッティ、東ネグロス州の政治を牛耳ってきたらしい。

 ドマゲッティで政治家ファミリーの話を聞いて2年前の8月のレイテ島オルモック市内で見かけた古くなった選挙ポスターを思い出した。2年前の2022年5月の総選挙で正副大統領、上院・下院国会議員、全国の州知事、州議会、市長、市評議会の選挙が同時に実施された。その総選挙の時のポスターが街角に残っていたのだ。

 レイテ島の西の中心都市が人口15万人のオルモック市である。ちなみに第二次大戦でマッカーサー将軍が上陸したタクロバン市は人口24万人のレイテ島の東の中心都市である。オルモック市内を歩いていると3人の候補者のポスターが3枚セットで至る所に貼られていた。すなわち、市長候補ルーシー・ゴメス、下院議員候補リカルド・ゴメス、市評議会候補カレン・トーレス・ラマである。

 ポスターの貼ってある売店(現地語でサリサリ・ストア)で聞くとリカルドはマニラの金持ちファミリー出身でルーシーと結婚してゴメス家に婿入りしたという。そしてカレンはルーシーの実の姉であると三人の家族関係を説明してくれた。そして3人とも圧倒的多数の支持を受けて当選したとのこと。

 さらに翌日公立小学校の女性副校長に聞いたところ、ルーシーは才色兼備で元モデルという経歴。ゴメス家は昔からオルモックで様々な事業を展開してきた有力者一族で代々市長や議員を勤めてきた政治家ファミリーとのこと。

 さらに驚いたことにルーシーは下院議員を2022年まで3期務めたが多選禁止規定のため、22年の総選挙では市長選に立候補したという。フィリピンの法律では下院議員・市長は任期3年で連続3期9年間まで務めることができる。