強制不妊、初の原告敗訴確定 手術認めず、上告退ける 最高裁

AI要約

北海道の女性と夫が旧優生保護法に基づき不妊手術を強制され損害賠償を求めた訴訟で、最高裁が女性らの上告を退ける決定をした。

女性は手術を受けたと認められず、敗訴が確定したが、他の訴訟では国の賠償責任を認める判決が出された。

さいたま地裁と大阪地裁は同法違憲を認める一方、女性は手術を受けたと認定されず、対象外となった。

 旧優生保護法に基づき不妊手術を強制されたなどとして、北海道の女性と夫=提訴後に死亡=が国に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は8日までに、女性らの上告を退ける決定をした。

 4日付。手術を受けたと認めず訴えを退けた二審札幌高裁判決が確定した。

 同法を巡る一連の訴訟で、原告側敗訴が確定したのは初めて。

 最高裁大法廷は3日、別の5件の訴訟について、いずれも国の賠償責任を認める判決を言い渡した。不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用せずに救済範囲を広げたが、女性は二審までに手術を受けたと認定されず、対象外となった。

 一審札幌地裁は2021年2月、不妊手術の客観的証拠がないと指摘し、1981年に受けた人工妊娠中絶についても障害が理由とは言い切れないとして請求を棄却。札幌高裁も23年6月、同法を違憲としつつ地裁判決を支持し、控訴を棄却していた。