3日から新紙幣発行 盛り上がる埼玉・深谷 新1万円札の渋沢栄一出身地は“前夜祭”に市民集結

AI要約

20年ぶりの新紙幣発行が3日に始まり、1万円札の肖像が渋沢栄一に変更され、3Dホログラムが採用される。深谷市では記念イベントが開催され、市民は新紙幣フィーバーに向けた準備を進めている。

地元企業からの寄付で製作された巨大展示ケースに新紙幣が展示され、市民はA1の記番号を熱望している。商店街では渋沢関連の特産品が販売され、町おこしに期待が寄せられている。

市内では新紙幣発行を祝うイベントが開催され、市民は和太鼓の演奏などで盛り上がっている。

3日から新紙幣発行 盛り上がる埼玉・深谷 新1万円札の渋沢栄一出身地は“前夜祭”に市民集結

 20年ぶりの新紙幣発行が3日に始まる。1万円札の肖像は福沢諭吉から「近代日本経済の父」と称される実業家の渋沢栄一に刷新されるほか、紙幣としては世界で初めて3Dホログラムが採用された。渋沢の出身地である埼玉県深谷市では記念イベントなどが開催され、大きく盛り上がっている。

 渋沢を「深谷の偉人」として親しんできた深谷市民は、来たる“新紙幣フィーバー”に向けた準備を進めてきた。同市役所では新たに展示スペースを設け、駅前の商店街では発行記念の商品を打ち出す店舗も。同市の渋沢栄一政策推進部の青木克尚部長(59)は「新紙幣発行が町おこしにつながれば」と期待した。

 市役所内では新紙幣を、地元にゆかりのある企業からの寄付金200万円で製作した巨大展示ケースに入れて飾る。市では名前の「栄一」にかけ、1万円札に振られた「記番号」が最も小さい「A1(エーイチ)」の入手を熱望。青木氏は「本当に来てくれたらうれしい」と楽しみな様子。市民課の小平明穂さん(24)は「新紙幣をきっかけに、全国の人に深谷を知ってもらえている」と発行を喜んでいる。

 地元の商店街も記念企画を続々と展開している。茶の専門店「澤田園」では、渋沢の顔や名言が書かれた湯飲みやマグカップ、急須を販売。酒店「藤橋藤三郎商店」では、新紙幣デザインのラベルの日本酒「大吟醸 渋沢栄一」などが人気だ。店主の藤橋邦通さん(43)は「新紙幣が起爆剤となり、町もフォーカスされている。いい機運なので、僕らも元気にやっていきたい」と力強く語った。

 この日夜には市内で、新紙幣発行を祝うイベントが開催された。発行日を前にした“前夜祭”の位置付けで、集まった約1800人の市民は和太鼓の演奏などで盛り上がった。 (小田切 葉月)