マンション内の障害者施設可能に 管理組合と社福法人が和解 大阪高裁

AI要約

管理組合と社会福祉法人の間で、分譲マンション内での障害者グループホーム運営に関する訴訟が和解し、規約改正で施設の運営継続が可能となった。

和解条項には、住戸をグループホームとして使用することが管理規約違反でないことが明記され、多様性を認め合い、法令適合に向けた協力が合意された。

前例となるこの和解で、他の共同住宅でも障害者グループホームの使用が管理規約違反でないことが示された。

 分譲マンション内で障害者グループホームを運営するのは住宅以外の使用を禁じた管理規約に反するとして、大阪市内のマンション管理組合が社会福祉法人に部屋の利用停止などを求めた訴訟は1日、大阪高裁(阪本勝裁判長)で和解が成立した。

 管理組合が規約を改正し、施設の運営継続を可能にした。

 和解条項は、裁判所の所見として「住戸をグループホームとして使用することは、管理規約に違反しない」と明記された。管理組合と社会福祉法人が多様性を認め合い、マンションが法令に適合するよう互いに理解し、協力するとした。

 社会福祉法人側の代理人弁護士は和解後の記者会見で「この和解を前提にすれば、他の共同住宅でも障害者グループホームとしての使用が管理規約に違反しないことになる」と意義を述べた。

 2022年1月の一審大阪地裁判決は、マンション内にグループホームがあることで、消防関係法令に基づく消防設備の設置費用負担などを余儀なくされると指摘。「他の区分所有者が被る不利益を軽視することはできない」として、施設としての利用禁止を命じた。