新築物件の価格高騰で…「ワケあり物件」購入者が約2倍に 違反建築で1200万円が半額600万 “孤独死物件”でも需要あり

AI要約

事故物件として売りたい部屋が扱いにくく、問題を抱える依頼者の話から始まります。

事故物件の売却相談が増えており、その対応には特殊な取り組みが必要となっています。

依頼者の物件は特殊清掃と遺品整理料金を含めて900万円で買い取られ、リフォーム後に再販される予定となっています。

新築物件の価格高騰で…「ワケあり物件」購入者が約2倍に 違反建築で1200万円が半額600万 “孤独死物件”でも需要あり

格安ながらも、さまざまな理由から問題を抱える「ワケあり物件」は、格安ながらも買い手が付きにくいイメージも少なくない。しかし、近年では、そんなワケあり物件が注目され、購入者が増えているという。ワケありでも人気があるのは、いったいどのような物件なのだろうか。ワケあり物件のさまざま“ワケ”を聞きながら、理由を調べてみた。

3月25日、「ワケあり物件を売りたい」という相談を聞き、(株)マークス不動産の佐藤祐貴さんと向かったのは神奈川県茅ヶ崎市。

JR茅ヶ崎駅から徒歩7分ほどの場所にある築37年のマンションだ。 

駅近の立地に佇むマンションはごく普通の物件で、一見すると“ワケあり”の気配は全く感じさせない。

マンション一室にある2DKの部屋を売りたいと考えているのは、依頼主の40代男性とその家族。

部屋を見せてもらうと、所々老朽化は進んでいるものの、部屋自体はよくある間取りだ。

修繕前で殺風景だが、特別変わった様子もない。いったいどのようなワケがあるのか聞いてみたところーーー。

依頼人:

父が自宅でなくなりまして、事故物件ということで売却の依頼をお願いしました。

依頼人:

こちらの部屋になります。1人で住んでいたので夏倒れてそのまま意識戻らずに亡くなったということで…。

事情を詳しく聞くと、2023年8月、この家で一人暮らしをしていた70代の父親が、この部屋で病死してしまったという。

依頼人の男性は普段から父親と連絡を取っていなかったため、発見したのは亡くなってから3カ月後だった。

発見が遅れたことで、依頼人の男性の父親は“孤独死”と認定された。孤独死してしまった人の物件はいわゆる事故物件となってしまうため、複雑な状況に置かれてしまいがちだ。

マークス不動産の佐藤祐貴さんに話を聞くと、実はこうした事故物件の売却の相談は増えているという。

佐藤祐貴さん:

大体平均として1日で5件から10件くらいは入ってきているような状況です。2022年と比べると(2023は)約2倍くらいには増えております。

今回の依頼人の男性にマークス不動産へ売却を依頼した理由を聞いてみたところ、切実な答えが返ってきた。

――普通の不動産では扱ってくれない?

依頼人:

そうですね、はい。みんな断られたってことだったので…。

実は事故物件の場合は対応できる不動産会社が少なく、売却は一苦労だそうだ。

しかし、それでも父親の自宅を売ろうと考えたのは、難しい現実問題が絡んでいた。

依頼人:

維持していくのちょっと大変なので、引き取っていただければ助かるというのが一番ですね。

依頼人の男性は、既に他の場所で家族との生活があるため、たとえ親の住んでいた家でも持て余してしまうのが実情だ。住むことがないなら、維持も困難になる。

その後、依頼人の物件は、特殊清掃と遺品整理の料金含め、900万円で買い取りが決まった。このあとリフォームを行い、販売を予定しているという。(2024年3月現在)

このようなワケあり物件は少なくないという話だが、他にはどのような事情の物件が売られているのだろうか。