障害者ホーム「恵」5施設、指定取り消しへ…厚労省が「連座制」方針

AI要約

東京の障害者向けグループホーム運営会社が利用者から食材費を過大に徴収し、愛知県と名古屋市で5か所の事業者指定取り消しの方針を固めた。

「恵」は12都県で100か所以上のホームを運営し、愛知県では食材費の不正請求が発覚している。

連座制が適用されると他の施設も事業者指定の更新が5年間認められなくなり、受け皿の確保が課題となっている。

 障害者向けグループホーム運営会社「恵(めぐみ)」(東京)が利用者から食材費を過大に徴収するなどしたとして、愛知県と名古屋市は障害者総合支援法に基づき、県内計5か所のグループホームの事業者指定を取り消す方針を固めた。26日にも処分を発表する。厚生労働省は会社ぐるみの不正の疑いもあるとみて「連座制」を適用する方針を固めており、同社のほかのホームが運営できなくなる可能性もある。

 「恵」は愛知や千葉、埼玉など12都県で計約100か所のホーム(定員計約2000人)を運営し、知的、精神障害者らが支援を受けながら共同生活を送る。

 関係者によると、愛知県幸田町と名古屋市内のグループホーム計5か所では、利用者から食材費を過大に徴収したり、職員の勤務記録を偽装するなどして障害福祉サービス報酬を不正請求したりしていた。食材費は厚労省令で実費のみ受け取ると定められているが、同社は利用者1人あたり月2万5000円を集めながら、各施設に同8000円程度しか支給しなかったという。

 連座制が適用されると、同じ法人が運営するほかの施設も、6年ごとの事業者指定の更新が5年間認められなくなる。利用者が行き場を失う恐れがあり、愛知県などは、処分の効力発生まで数か月の猶予期間を持たせ、各自治体と協力して受け皿を確保する考えだ。

 食材費の過大徴収は2022年に判明、その金額は愛知県内のホーム26か所で計約2億1800万円に上り、調査の過程で報酬の不正請求も確認された。厚労省は同社のホームがある自治体に調査を求めている。