岸田首相、政策活動費の透明性強化「早急に具体化の協議進める」 会見冒頭発言要旨

AI要約

岸田文雄首相は第213通常国会の事実上の閉会を受け、記者会見を行いました。政策活動費の透明性強化や能登半島地震の復旧復興、新たな成長型経済への移行などが焦点となっています。

今後は政策活動費の透明性強化に取り組むと共に、能登復興支援や新たな成長型経済の実現を図っていく予定です。

さらに、電気・ガス料金の補助やエネルギー構造の見直しも急務として取り組まれることが示されています。

岸田首相、政策活動費の透明性強化「早急に具体化の協議進める」 会見冒頭発言要旨

岸田文雄首相は21日夜、第213通常国会の事実上の閉会を受け、首相官邸で記者会見した。改正政治資金規正法の検討課題となった政策活動費の透明性強化などについて「早急に具体化の協議を進める」と述べた。冒頭発言の要旨は次の通り。

年明けに「政治刷新本部」を立ち上げ、必要な対策を示し、必要な行動を促してきた。私自身が一歩前に出るとの思いで、いわゆる派閥解消や政倫審への出席などを決断してきた。その集大成として政治資金規正法改正を実現できた。検討課題とした政策活動費の透明性強化などは早急に具体化の協議を進める。

能登半島地震の復旧復興に全力を挙げて取り組んでいる。能登に省庁横断的な国の支援拠点を開設する。常駐派遣を100人超に拡大した「能登創造的復興タスクフォース」を7月1日に発足させる。次の大規模災害を見据え、保健・医療・福祉支援の強化、自衛隊、消防、警察の初動対応の連携強化などについて、法改正も視野に速やかに方針を取りまとめる。

■電気・ガス料金、3カ月補助

30年間日本を覆い続けたデフレ型経済から脱却し、新たな「成長型経済」に移行できるか正念場にある。移行の兆しは明確になっている。5%を超える今年の春闘の力強い賃上げの成果は徐々に表れている。設備投資は史上最高水準にあり、半導体など海外からの大型戦略投資も相次いでいる。こうした移行の兆しを大きな流れとするため、重層的に政策を展開していく。

6月からの定額減税は、物価上昇を上回る所得を実感してもらう下支えとして大きな役割を果たす。中小企業の価格転嫁の徹底へ独禁法などを総動員する。医療・介護や保育など公的分野の賃上げ浸透へ徹底的なフォローアップを進める。

物価水準が高止まる中で年金世帯や中小企業には厳しい状況が続いている。2段構えの対応をとる。第1段は即効性の高いエネルギー補助だ。燃油の激変緩和措置を年内に限り継続する。「酷暑乗り切り緊急支援」として、8、9、10月分の3カ月について電気・ガス料金補助を行う。第2段として年金世帯や低所得者世帯を追加の給付金で支援することを検討する。学校給食費などの保護者負担の軽減や、農林水産業、中小企業などに対する幅広い支援を、重点支援地方交付金の拡充できめ細かく講じる。

補助金が必要となる根本的な理由はわが国のエネルギー構造の脆弱性にある。原発再稼働が進んでいる地域と全く進んでいない地域では電気料金に最大3割程度の格差がある。安全が確認された原発を速やかに再稼働させ、脱炭素電源への戦略的投資を確保する仕組みを早急に検討する。年内を目途に、エネルギー供給、産業構造、産業立地を総合的に捉えた国家戦略の策定を進める。