親しい友人「たくさん」、7.8% 大幅減、コロナ禍影響か 高齢社会白書

AI要約

政府は21日の閣議で、2024年版高齢社会白書を決定した。65歳以上の高齢者の友人の割合が減少し、孤独・孤立に対する対策が必要だと指摘されている。

全国の65歳以上の男女4000人を対象に実施された調査では、友人や仲間が少ない高齢者が増加しており、一人暮らしの高齢者に対するサポートの重要性が強調されている。

人と話す頻度の調査結果も示され、一人暮らしの高齢者の孤立化が懸念されている。

 政府は21日の閣議で、2024年版高齢社会白書を決定した。

 65歳以上の高齢者のうち、親しい友人が「たくさんいる」と答えた人の割合は7.8%と、18年度の前回調査(24.7%)から16.9ポイント減少した。コロナ禍で人付き合いが制限されたことが影響したとみられ、「望まない孤独・孤立に陥らないための対策が必要だ」と指摘した。

 調査は23年10~11月、全国の65歳以上の男女4000人を対象に実施。有効回答率は66.9%。

 「親しい友人や仲間がいるか」との質問に対し、「たくさんいる」「ふつうにいる」が前回から減少した一方、「少しいる」は21.5%から36.0%に増加。「ほとんどいない」は5.6%から12.6%に大幅に拡大した。

 人と話す頻度を尋ねたところ、「毎日」と答えた割合は72.5%。一人暮らしでは38.9%にとどまり、「1週間に1回未満・ほとんど話をしない」と答えた人は14.7%に達した。

 白書は、こうした状況を踏まえ、一人暮らしの高齢者に対する地域や社会によるサポートの重要性も強調した。