交通事故死、5割超が高齢者 道路横断中が多数 交通安全白書

AI要約

政府は21日の閣議で、2024年版「交通安全白書」を決定した。

高齢者が交通事故による死者数の半数以上を占め、高齢ドライバーへの支援策が必要とされている。

白書では、歩行者の死亡事故に対する交通環境整備や高齢ドライバーの運転操作ミスへの対策が強調されている。

 政府は21日の閣議で、2024年版「交通安全白書」を決定した。

 23年に全国で起きた交通事故による死者数は2678人で、このうち65歳以上が1466人で54.7%を占めた。高齢に伴う身体・認知機能の低下が事故につながるとして、生活道路の安全対策や高齢ドライバーへの支援策などの必要性を指摘した。

 13~23年の歩行者(作業中、寝そべっている人なども含む)の死亡事故のうち、道路横断中に亡くなった人の割合は65歳未満で50.6%、65~69歳で66.7%、85歳以上で82.1%と、年齢階層が上がるほど高まった。白書は、区域内の最高速度を30キロに規制する「ゾーン30」や、車道の路面を盛り上げて速度を抑制する「ハンプ」の設置など、交通環境整備を進める必要があると強調した。

 高齢ドライバーが引き起こす死亡事故(自損を含む)の原因では、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの運転操作ミスの割合が高かった。白書は安全運転サポート車の普及や自動運転の実現を訴えた。