維新・馬場代表の「大阪都構想三度目チャレンジ」宣言は民主主義と住民自治の原則を無視した「最悪の暴挙」である

AI要約

馬場伸幸代表が大阪都構想について3度目のチャレンジを宣言

過去の住民投票で否決された結果を受け入れる義務がある

民主主義の最低限のルールに違反する極めて深刻な暴挙

維新・馬場代表の「大阪都構想三度目チャレンジ」宣言は民主主義と住民自治の原則を無視した「最悪の暴挙」である

 驚くべきことに、日本維新の会の馬場伸幸代表が、大阪都構想について「3度目チャレンジしたい」と発言した。

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参照)【独自】「3度目チャレンジしたい」維新・馬場代表『大阪都構想』へ意欲 吉村代表・横山幹事長も否定せず(関西テレビNEWS 2024.06.11)

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 大阪都構想と言えば、これまで一度ならずも二度までも、直接の住民投票で「否決」された維新提案だ。

 一度目の否決の際には、当時の橋下大阪市長は、「最後、この結果は本当に悔いなし、リベンジはないです」と再住民投票を明確に否定し、二度目の否決の際には、吉村大阪府知事も「僕自身が大阪都構想に政治家として挑戦することはもうありません。もうやり切ったという思いです」と、同じく、自身が再住民投票に関わることを明確に否定している。

 したがって、吉村府知事はここまで言っていた以上、この馬場宣言を受けても「今も考え方は変わらない」と発言せざるを得ない状況であるし、横山大阪市長も「今時点で何も議論は動いていない。実施の有無含めて現段階では白紙」とし、馬場氏への賛同の意は明確には表明していない。

 ただ、逆に言うなら、明確に否定しているわけでもなく、腹の底では「都構想三度目のチャレンジ」を密かに企図している様子が見え隠れする。

 しかし、そもそも民主主義における住民投票・選挙というものは、事前にどれだけ激しく論争していようが、一旦結果が出れば、ノーサイドとなり、その結果を有権者「全員」が受け入れることを「義務」付けられている。それが民主主義の最低限のルールだ。

 したがって、言うまでも無く、馬場代表自身にも、過去の住民投票で否決された結果を受け入れる「義務」があるわけだ。だから、今回の馬場氏が言う「三度目のチャレンジ」なるものは、その「義務」に完全に違反した、民主主義の前提を破壊する極めて深刻な暴挙だと言わざるを得ない。

 もちろん、前回の住民投票の時から大きな根本的な変化があるのなら、再度の住民投票が正当化されることもあり得る。しかし、馬場代表自身、再度の住民投票を正当化できるような何らかの大きな変化があったとは、一言も説明してはいない。

 これでは「最高裁判決」が出た後に「僕はその判決が気に入らないから、もう一回、裁判やってもらう」と言っているようなものだ。つまり、今回の「三度目チャレンジ」宣言は、民主主義における根本的なルール違反であり、こんなルール違反の発言など、本来、いちいちメディアで取り上げるべきではない「戯れ言」の類なのだ。