大阪都構想 維新・馬場代表、3回目に意欲 ユーチューブ番組で

AI要約

日本維新の会の馬場伸幸代表は、大阪都構想の3回目の実施に意欲を示し、投票権を府内の有権者に広げる案を提案している。

一方、吉村洋文共同代表は、万博の成功に注力すべきだとし、選挙権の拡大には慎重な姿勢を示している。

大阪維新の会の横山英幸幹事長は、都構想について組織的に協議されていない状況であり、ブロック化を進めながら基礎自治行政の充実を目指していると述べている。

大阪都構想 維新・馬場代表、3回目に意欲 ユーチューブ番組で

 日本維新の会の馬場伸幸代表は9日配信のユーチューブ番組で、大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の住民投票について、「絶対にやらせてほしい」と3回目の実施に意欲を示した。住民投票は大都市地域特別区設置法(大都市法)に基づき、市内の有権者を対象に2015年と20年の2回実施、いずれも反対多数で否決された。馬場氏は投票権の範囲を大阪府内の有権者に拡大すべきだと主張、大都市法の改正にも言及した。

 馬場氏は「選挙ドットコム」の番組に出演。次期衆院選で与党が過半数割れした場合に、維新の連立与党入りの可能性を語る中で、「道半ばの大阪都構想みたいに、結党(当初)から掲げてきた(政策が)できるかで、どの政党と連携するかが見えてくる」と発言。ただ、3度目については「組織としてオーソライズされていないかもしれない」とも述べた。

 馬場氏は「これまでの法律に基づいたやり方をしても、大阪市の皆さんに失礼だ」と断った上で、投票権を府内の有権者に広げる案を挙げた。「法律を改正し、ルールを変えて、チャレンジする意味がある」と持論を展開した。

 一方、吉村洋文共同代表(大阪府知事)は10日、報道陣に見解を問われ、「代表の個人的な意見だと思う。まずは10カ月後に迫った万博の成功に注力したい」と慎重な姿勢を示した。吉村氏は選挙権の拡大について「慎重に検討した方がいい。政令市を廃止し、都政を敷くわけで、大阪市民に一番影響がある」と主張。「何らかの民主的なプロセスが必要で、僕が漫然と『3回目の都構想に挑戦です』と言うことはない。信義に反する」と述べた。

 大阪維新の会の横山英幸幹事長(大阪市長)も報道各社の取材に「何か組織的に協議されている状況ではない。現段階では白紙」とした。横山氏は市長として市内24行政区を残しつつ、複数区にグループ分けして意思決定の効率化を目指す「ブロック化」を検討中。維新市議団もプロジェクトチームを立ち上げている。横山氏は「基礎自治行政の充実という観点では(都構想と)一緒だが、別物だ」と強調した。【村上正、井上元宏】