エルニーニョ監視速報 エルニーニョ現象は終息 秋にかけラニーニャ現象発生で猛暑か

AI要約

気象庁は、エルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象が発生する可能性が高くなっていることを発表

太平洋赤道域の海面水温や気象状況について詳細な解説が行われ、エルニーニョ現象の特徴が見られなくなったことが確認された

世界の熱帯域の海面水温や将来の推移についての予測が示され、それぞれの地域での気象状況が分析された

エルニーニョ監視速報 エルニーニョ現象は終息 秋にかけラニーニャ現象発生で猛暑か

気象庁は、今日10日「エルニーニョ監視速報」を発表しました。それによると、昨年の春から続いていたエルニーニョ現象は終息したとみられます。今後、秋にかけて平常の状態が続く可能性もありますが(40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高くなっているとのことです(60%)。ラニーニャ現象が発生すると猛暑となることが多いため注意が必要です。

5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は0.0℃で、4月の+0.8℃から大きく下がり、基準値と同値でした。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。

太平洋赤道域の海洋表層の水温は中部から東部で平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。

以上から、大気や海洋の状態にはエルニーニョ現象の特徴が見られなくなり、昨年の春から続いていたエルニーニョ現象は終息したとみられます。

実況では、太平洋赤道域の中部から東部に海洋表層の冷水が見られます。大気海洋結合モデルは、太平洋赤道域の西部から中部で貿易風が強まるとともに、中部から東部の冷水がさらに強まり、秋にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測しています。

以上から、今後、秋にかけて平常の状態が続く可能性もありますが(40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高くなっています(60%)。

【西太平洋熱帯域】

5月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後、秋にかけて基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測されます。

【インド洋熱帯域】

5月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、夏までは基準値より高い値で推移し、秋は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。