お手伝いから消えゆく“おつかい” 何歳からOK?必要性は? 「失敗がない状況を大人が作った上でやるべき」

AI要約

仲良く手を繋いでおつかいをする幼い子どもたちに隠れたカメラマンの存在。安全面を配慮しながらおつかいを楽しむ様子が描かれている。

厚生労働省の調査によると、おつかいをする子どもの減少傾向がある中で、教育者たちは幼児期からおつかいの経験を重要視している。

おつかいが持つ子どもにとっての成長や自信について、議論が行われている。

お手伝いから消えゆく“おつかい” 何歳からOK?必要性は? 「失敗がない状況を大人が作った上でやるべき」

 商店街を、仲良く手を繋いでおつかい中の幼い子ども2人。よく見ると、隣にはカメラマン。これは「はじめてチャレンジ」という今注目のサービスだ。この日は、たいやき屋さんまでの道中を、安全面に配慮しながらスタッフがこっそり撮影してくれるというものになっている。

 チャレンジするのは、幼馴染のかんゆうくん(3)とみうちゃん(3)。“初おつかい”を見守る母親は「できる気がしなくて…まず手を繋げてるのか」と心配な面持ちだ。

 2人はしっかり手を握り、スタッフにも見守られながら、150m先のお店へ到着。「たいやき3個ください」と口を揃えて注文し、しっかりお金を渡して支払いもクリア。たいやきを受け取ると、「一緒に手を繋ごう」(かんゆうくん)とちゃんといいつけを守り、無事にお母さんのもとに帰ってきた。

 厚生労働省「第12回21世紀出生児縦断調査」によると、12歳の男女に聞いた手伝い状況として、「部屋やお風呂などの掃除」や「洗濯物を干す・たたむ」は2001年生まれと2010年生まれで大きく変わらないか、むしろ増えているものの、「おつかい」のみ大きく減少している。ネット上では、「できるのは田舎だけ」「海外だったら法律違反」と批判的な声もある。

 姿を消しつつあるおつかいの必要性について、『ABEMA Prime』で議論した。

 おつかいは「3歳からOK」と考えている伸芽会教育研究所所長の飯田道郎氏は「幼児の体験は、親の態度や周りの環境などで状況が変わる。その体験の幅は、広げてあげないと今の時代は不足してしまうわけだ。親がしっかり見られる状況の中で、いろいろ工夫できるきっかけが3歳ぐらいにあると思っている」と述べる。

 元保育士でKANSAIこども研究所所長の原坂一郎氏は「“できた”“人の役に立った”“感謝された”いう経験を積むと自信がつき、自己肯定感も高まっていく。おつかい自体は肯定的な目で見ている」と話すが、「小学生未満は危険」という立場だ。