ウクライナ支援で日本と2国間文書、ロシアから新たな侵略なら「24時間以内に協議」明記

AI要約

政府は、ウクライナ支援の強化に向けた2国間文書に署名する方針を固めた。新たな侵略に備え24時間以内に2国間協議を行うことを明記し、G7首脳会議で合意を目指す。

日本としてもウクライナ支援を強化し、2国間文書では迅速な支援のための協議や情報保護協定の締結を盛り込む。10年間の支援を約束し、非軍事分野での貢献を強調する。

ウクライナへの支援額は約1兆9000億円に上り、地雷除去やエネルギー支援などの取り組みを継続する考えを示す。

 政府は、ウクライナ支援の強化に向けた2国間文書に近く署名する方針を固めた。ロシアから新たな侵略にあった場合、24時間以内に2国間協議を実施することを明記する。13日にイタリアで開幕する先進7か国(G7)首脳会議に合わせ、岸田首相がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、合意する方向で最終調整している。

 G7首脳は昨年7月の共同宣言で、ウクライナへの長期的な安全保障協力を約束した。具体的な支援内容は各国が2国間協議で決めるとされ、これまでに米国を除くG7各国などが合意文書を交わしている。日本としてもウクライナへの関与強化を打ち出し、国際社会に支援継続の重要性をアピールする狙いがある。

 日ウクライナの2国間文書では、ロシアによる新たな侵略行為があった場合、いずれかの国の要請に基づき、迅速な支援を行うために24時間以内に2国間協議を行うことを盛り込む。インテリジェンス(情報収集、分析)を巡る連携を深め、安全保障に関する機密情報の交換を可能とする「情報保護協定」の締結に向けた交渉加速も明記する。

 日本の技術力などを生かした支援の継続を表明し、長期間にわたる支援を約束するため、文書の有効期間は「10年間」とする見通しだ。

 政府は憲法上の制約も踏まえ、「日本ならではの貢献」(岸田首相)として、ウクライナの財政支援や復旧・復興に向けた経済協力など、非軍事分野に力を入れてきた。ウクライナ侵略以降の支援額は総額約121億ドル(約1兆9000億円)に上る。

 文書では、こうした実績に言及した上で、協力を継続していく考えを強調する。具体的には、地雷・がれきの除去や、電力を含むエネルギー支援などに取り組むことも例示する。