三菱UFJ銀行と証券2社に監視委が行政処分勧告へ、三菱UFJグループへの処分も視野に

AI要約

三菱UFJ銀行が金融商品取引法違反の疑いで行政処分を受ける可能性があることが明らかになった。

同行が融資先企業にグループ内の証券会社との取引を勧誘し、非公開情報を共有していた疑いがある。

金融庁がグループ全体の管理責任を問う可能性もあり、来週にも行政処分が行われる見通し。

 三菱UFJ銀行が、融資先企業にグループ内の証券会社と取引するよう勧誘したり、同意を得ないまま顧客の内部情報を証券会社と共有したりしていた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が同行とグループ内の証券会社2社に金融商品取引法違反で行政処分を課すよう金融庁に勧告する方向で検討していることがわかった。

 勧告対象として検討されているのは、同行と、グループ内の三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券。金商法や関連法令は、銀行などの金融機関が有価証券の取引の勧誘などを行うことを禁止し、グループ内の銀行と証券会社の間で顧客に無断で非公開情報を共有することを制限する「ファイアウォール規制」も設けている。

 関係者によると、同行は融資先企業にグループ内の証券会社との取引を勧めた疑いがあり、融資条件の優遇を示唆しながら勧誘する事例もあったとみられる。また、証券会社2社が2021年頃に同行から顧客企業の経営戦略に関わる非公開情報を得ていた疑いも確認され、同行側が顧客から無断共有を指摘されるケースもあったという。

 監視委は、いずれも法令順守を軽視した行為だとして問題視しており、来週にも行政処分を勧告する方向で検討している。金融庁がグループ全体の管理・監督責任を問う必要があると判断すれば、親会社の三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)に対して行政処分を行う可能性もある。

 鈴木金融相は7日の閣議後の記者会見で「証券取引等監視委員会は金融庁から独立した立場で職務を行う。個別の検査や勧告についてコメントは控える」と述べた。その上で「仮定の話だが、委員会でしっかり対応され、結果はいずれ発表があるのだと思う」とした。