スマホで口座新設→10万円・1年定期で1万円…三菱UFJが預金獲得へキャンペーン

AI要約

三菱UFJ銀行が新たな預金獲得戦略を発表。スマートフォンで口座を新設し、特典を提供するキャンペーンがスタート。

長期安定資金の確保を目指す同銀行は定期預金の拡大を図り、スマホアプリ限定のキャンペーンを展開。

大手銀行が金利引き上げを行う中、三菱UFJ銀はキャンペーンを通じて預金獲得に力を入れる。

 三菱UFJ銀行の新たな預金獲得戦略が6日、わかった。スマートフォンで定期預金と普通預金の口座を新設し、定期預金口座に10万円以上(期間1年以上)を預けた人に1万円を「還元」する。同銀行に口座がない人が対象で、10日から先着3万人限定でキャンペーンを始める。

 三菱UFJ銀の預金残高は約200兆円と国内最大だが、長期にわたる安定資金を確保するため定期預金の拡大を図る。新規の定期預金口座は約7割が店頭での申し込みとなっており、スマホアプリ限定のキャンペーンとすることで、経費の抑制につなげる狙いもある。

 大手銀は昨年11月、長期金利の上昇を受けて定期預金金利を引き上げた。日本銀行が大規模な金融緩和を終えた3月にも再度引き上げたものの、三菱UFJ銀は現在、期間10年で0・3%にとどまる。キャンペーンで預金獲得に弾みをつける。

 市中銀行にとって、過剰な預金は最近まで経営の足かせだった。日銀のマイナス金利政策で、日銀の当座預金に資金を預けると、事実上の「手数料」を取られていたためだ。しかし、3月にマイナス金利が解除されて以降、日銀に預けても、貸し出しに回しても利ざやが取れるようになり、預金集めが熱を帯び始めた。

 みずほ銀行は今年2~5月、普通預金口座の開設や新NISAの申し込みで最大1万8000円を贈るキャンペーンを実施した。三井住友銀行は銀行口座やクレジットカードなどのサービスを一つのアプリに集約した金融サービス「オリーブ」をテコに預金増を図っている。