【二転三転】政治資金規正法改正巡り自民が“3度目修正案” 異例の対応の背景に公明のNG・維新の“抜け道”猛反発

AI要約

自民党の“裏金事件”を受け、政治資金規正法の改正を巡る異例の事態が国会で起きた。

自民党案が3度も修正され、公明党と維新の要求を取り入れる過程が詳細に示された。

最終的には自民党案が再々修正され、公明党と維新の要求に応じた形で衆議院を通過する見通しとなった。

【二転三転】政治資金規正法改正巡り自民が“3度目修正案” 異例の対応の背景に公明のNG・維新の“抜け道”猛反発

自民党の“裏金事件”を受けた、政治資金規正法の改正を巡って、4日、国会で“異例の事態”が起きた。

立憲民主党・安住国対委員長:

はっきり言ってこれね、ザルの合意だよ。

自民党の改正案が、なんと3度目となる修正を行うことになったのだ。

一体、何が起きたのだろうか?

これまで自民党案が、どう修正されてきたのか経緯を振り返る。

まず、5月17日に出した当初の改正案では、パーティー券の購入者の公開基準は、「20万円超」から「10万円超」に引き下げた。また、現在は使い道を公開する必要がない「政策活動費」については、「項目ごとの開示」にとどめていた。

そして、5月29日に提出された一度目の修正案では、「政策活動費」について、使った「年月ごとの開示」を追加し、法律の施行後「3年」で見直すとの規定も盛り込んだ。

ところが翌日30日、パーティー券の公開基準を巡り、“これじゃあダメだ”と、公明党からNGが出たのだ。

このとき、公明党の山口代表は「自民党からきのう示された修正案、これはそのまま賛同することはできない」と怒りをあらわにしていた。

これを受け、慌てた岸田首相は次の日に山口代表と会談し、さらに「日本維新の会」の馬場代表とも会談して、合意文書に署名した。

そして、3日に提出した“再修正案”では、パーティー券購入者の公開基準は「10万円超」から公明党が求めた「5万円超」に修正し、「政策活動費」についても、維新の要求に応じて「10年後」に領収書を公開する規定を追加した。

そもそもなぜ、岸田首相が公明党や維新の会の意見を、こうも聞き入れるのだろうか?

岸田首相:

引き続き、与党を超えた幅広い合意形成を目指しつつ、本国会での政治資金規正法の改正に向けて全力を尽くしてまいります。

政治資金は、議員の活動に関わることから与党はもちろん、野党も含めた幅広い合意を得たい考えがあるからだ。

こうしてついに自民党は、この「再修正案」を3日国会に提出し、4日採決することで、与野党が合意していたが、今度は、合意文書を交わしたはずの、日本維新の会からNGが出た。

日本維新の会 音喜多政調会長:

抜け道がある状態の自民党案には、賛成することが難しい。

実は、自民党の「再修正案」では、「政策活動費」の公開対象が「50万円超」に限られていたのだ。これに日本維新の会は猛反発し、幹部からは「自民党にだまされた」などの声が上がった。

こうして4日、予定されていた採決は、見送られるという、異例の展開を経て、自民党は“三度目の正直”を目指し、維新の求め通りの「50万円超」などの規定を削除した、再々修正案を提示した。結果的に、公明党と日本維新の会の要求を、“丸のみ”した形になった。

二転三転した自民党案は、5日に岸田首相も出席して質疑を行い、採決され、6日、衆議院を通過する見通しだ。

(「イット!」6月4日放送より)