E-4B後継SAOC、コリンズがNC3受注 大韓747-8改修

AI要約

米RTX傘下のコリンズ・エアロスペースがE-4Bの後継機開発のためNC3システムの開発を受注。

プロジェクトはSAOCとして進行中で、米SNCがボーイング747-8型機を改修し、契約額は数十億ドル規模。

E-4Bは「Doomsday planes」として知られ、2036年までにSAOCが完成予定。

E-4B後継SAOC、コリンズがNC3受注 大韓747-8改修

 米RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)傘下のコリンズ・エアロスペースは、老朽化が進む米空軍の空中指揮機E-4B「ナイトウォッチ」の後継機開発で、NC3(核の指揮・統制・通信)システムの開発を受注した。

 E-4Bの後継機プロジェクト「SAOC(生存可能な空中作戦センター)」は、米SNC(シエラ・ネバダ・コーポレーション)が米空軍から130億ドルで受注。大韓航空(KAL/KL)が保有するボーイング747-8型機を5機取得して改修する。コリンズの契約額は数十億ドル規模で、SNC主導のチームの一員としてNC3の開発に参画する。

 E-4Bは、核戦争を想定した747-200Bを母体とする空中指揮機で「Doomsday planes」とも呼ばれている。キリスト教などの「Doomsday」は日本で「最後の審判の日」などと訳されることから、「終末の日の飛行機」「世界最後の日の飛行機」などいくつかの訳語がある。原語の意味としては宗教的思想が強い言葉といえ、単に「核戦争で世界が最後の日を迎える」という意味合いではない。

 当初2機のE-4Aが発注されて1973年6月13日に初飛行し、1979年12月に最後の4号機が改良型のE-4Bとして納入され、受領済みの3機もE-4Bに改修された。現在も4機が稼働しているものの、半世紀が過ぎている。SAOCの開発は、2036年に完了する見通し。

 大韓航空が売却するのは旅客型5機で、売却総額は9183億3750万ウォン(約6億7500万ドル)。大韓航空は、747-8の売却益を新型機の中長期導入計画に充てるとしている。また、引き渡し予定日は今後変動する可能性があるという。

 747-8は製造がすでに終了しており、最終号機となった貨物型の747-8F(登録記号N863GT)は、アトラスエアー(GTI/5Y)などを傘下に持つアトラス・エア・ワールドワイドへ2023年1月31日に引き渡された。1574機が製造された最後のジャンボ機で、旅客型の最終号機(HL7644)は大韓航空が2017年7月に受領している。