コリンズとパナソニック、曲面有機ELの新ビジネスクラス「MAYA」イマーシブがテーマ

AI要約

米RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)傘下のコリンズ・エアロスペースと米パナソニック アビオニクスが共同開発した次世代ビジネスクラス「MAYA」は、没入感を示す「イマーシブ」をテーマに大型の曲面画面やヘッドホンなしで楽しめるオーディオなどを特徴としている。

新しい座席空間「スイート」には45インチの曲面有機ELディスプレイ「Astrova」が搭載され、乗客に没入感やカスタマイズ性を提供。ウルトラワイドディスプレイが映画館のような視聴体験を可能にする。

コントローラー「DAPT」により電子機器と同期し、乗客の多様なニーズに応えるMAYAはモジュール性を重視した設計で、将来のアップグレードやリサイクルを考慮している。

コリンズとパナソニック、曲面有機ELの新ビジネスクラス「MAYA」イマーシブがテーマ

 米RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)傘下のコリンズ・エアロスペースは、米パナソニック アビオニクスと共同開発した次世代ビジネスクラス「MAYA」を発表した。没入感を示す「イマーシブ」がテーマで、大型の曲面画面やヘッドホンなしで楽しめるオーディオなどが特徴となっている。

 両社はMAYAをシートとIFE(機内エンターテインメントシステム)が一体化した「スイート(座席空間)」と定義。45インチの曲面有機EL(OLED)ディスプレイ「Astrova」が特徴で、ヘッドホンレスのオーディオシステムとともに、乗客にこれまでにない没入感やカスタマイズ性、豊富な機能により、乗客ひとり一人に合わせた視聴体験を提供するという。

 パナソニック アビオニクスによると、画面の大きさは通常の3倍。機内初のウルトラワイドディスプレイ(21:9シネスコサイズ)で、映画館と同じ画面フォーマットを採用した。

 コントローラー「DAPT」により、乗客の電子機器とシームレスに同期し、使い慣れた操作しやすい座席環境を提供し、乗客の多様なニーズに対応するとしている。

 モジュール性を重視した設計を採用。耐用年数の途中でアップグレードに対応できるようにしたほか、分解プロセスを簡素化し、リサイクル時のトレーサビリティを向上させている。

 コリンズのインテリア部門社長のインテリア部門のエド・ドライデン氏は「フィジカル、デジタル、スマートテクノロジーの融合で、個々のソリューションが単独では実現できないような形で、イマーシブな(没入型の)機内エンターテインメントを提供できる」と説明した。

 パナソニック アビオニクスのケン・セーンCEO(最高経営責任者)によると、「座席の形状と視野角に基づき、MAYAは映画館で鑑賞するより50%もイマーシブな視聴体験を提供する」という。同社はパナソニック コネクトの米国グループ会社で、IFEやWi-Fi機器による機内インターネット接続サービスで世界的なシェアを誇る。

 MAYAは、独ハンブルクで現地時間5月28日から30日まで開催された「AIX(エアクラフト・インテリア・エキスポ2024)」に初出展された。