「退職代行を使うなんて最低!」「単なる情弱ビジネス」ブチギレる昭和世代が見落としている視点

AI要約

退職代行サービスが注目を集めている中、一部でマナーが悪いと批判されていますが、その背景や意義を考える必要があります。

退職代行を利用することが悪いかどうかについて、善悪の観点や管理職の立場からの見方を示しています。

退職代行の利用に対する正しい理解と判断が求められていることを示唆しています。

「退職代行を使うなんて最低!」「単なる情弱ビジネス」ブチギレる昭和世代が見落としている視点

 労働者本人の代わりに職場に退職の意思を伝える「退職代行サービス」が大盛況と話題です。「マナーが悪い!」「単なる情弱ビジネス」との声も一部で上がっていますが、本当にそうでしょうか…?実は、批判する人が見落としている視点があるのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

● 退職代行が大盛況! 「マナーが悪い」との批判もあるが…?

 五月病という言葉がありますが、今年5月、退職代行サービス会社が何度かメディアで取り上げられました。この時期、新卒社員の退職代行依頼が多いというのです。

 若手社員の4割が20代のうちに転職する時代ですから、その中には配属ガチャで嫌気がさして速攻で会社を辞める人が出てくるのも時代の流れかもしれません。

 ただ、「辞めるのであれば自分から言い出すべきだ」という意見があります。退職代行会社を使うというのはマナーが悪いと考える管理職は少数派ではありません。その考えは正しいのでしょうか?今回はこの問題を記事にしたいと思います。

 退職代行会社とは、自分から辞めたいと言い出せない社員に代わって、本人の退職の意思を会社に伝えるのが業務です。弁護士法人が運営する場合と、そうでない会社があります。

 弁護士ではない場合、粛々と退職の手続きを代行するのは大丈夫ですが、交渉事は非弁行為として禁止されています。具体的には未払いの残業代を取り返そうとか、パワハラについての謝罪を求めようといった場合は弁護士系の退職代行を使う必要があります。

 弁護士系は5~10万円、それ以外は2~5万円と報酬額が違う理由はそこにあるようです。

 さて、会社を辞めるのに退職代行を使うのは悪いことなのでしょうか?

 結論から言えば使ってもいいという話になるのですが、それを一部というかかなり多数派の管理職のひとたちはなぜ「悪い」ないしは「少なくとも気分が悪い」と考えるのか?3つの切り口で説明したいと思います。

● 視点1 善悪とは何か?

 あなたが管理職や先輩社員だったとして、部下や若手社員がある日、挨拶もなしに退職代行会社を使って辞めてしまったとします。それを「やり方が悪いぞ」と考える場合、それはなぜなのでしょうか?