バス運転手不足…各地で減便、修学旅行にも影響 各社は続々給料&待遇UP 移住支援も

AI要約

運転手の時間外労働が規制される2024年問題により、人手不足が深刻化しており、路線バスの廃止や減便などの影響が出ている。

バス会社は運転手の待遇改善や女性ドライバーの積極採用などで対応し、業界全体で労働環境の改善に取り組んでいる。

就職支援金の引き上げや働きやすさを重視する会社も増えており、女性ドライバーの活躍を促進する動きもある。

バス運転手不足…各地で減便、修学旅行にも影響 各社は続々給料&待遇UP 移住支援も

 運転手の時間外労働が規制される2024年問題で、人手不足が今、深刻化しています。運転手がいないために中学校の修学旅行で予約した貸切バスが急きょキャンセルされるなどの影響も出てきています。

 25日から全体の7%ほどにあたる路線の廃止や減便に踏み切った京成バス。その理由は「2024年問題」。

 今年4月から、ドライバーの時間外労働の規制が強化されたための措置だといいます。

京成バスの利用者(80代)

「バスがなくなったら本当に困っちゃいますよ。座るところがなくなっちゃったんですよね。そうすると困るんですよ、だから次の待ってるの」

 本数が少なくなり、今までだと座れていたバスに座れなくなってしまったといいます。

 減便した路線では病院へ向かうルートも含まれていて、こんな声も聞かれました。

京成バスの利用者(70代)

「(今までは)本八幡駅でいつも総合病院行きのバスに乗るんです。ところがあそこなくなっちゃったって言われて」

「(Q.減便後、乗るのは初めて?)初めてなんです。だからだいぶ…もたもたしましたよ」

「大変だね」

 千葉県によると、県内の路線バスはこの半年でおよそ1900便が減便。県は今後、運転手不足の解消に向けバス会社と話し合い、支援策を検討していくといいます。

 各地でバスの減便が相次ぐなか、バス会社も手をこまねいているだけではありません。

 今月、東京で開催されたバス会社専門の就職説明会には全国から96社が参加。バスドライバーの賃金は、すべての職業の平均年収と比べおよそ100万円低い状況。一方で月の労働時間は、平均より16時間も長くなっています。この現状を打開しようと、各社では待遇面の改善を進めています。

横浜市営バスを運営

横浜交通開発 担当者

「給料面での大幅アップということで、毎月の給料を大幅に3万円アップとかですね」

 横浜交通開発では、給料の大幅アップとともに、入社の際の就職支援金を30万円から50万円に引き上げるなど、待遇の良さをアピール。法改正もあり長時間労働も改善が進んでいるといいます。

 参加者もこのように話します。

神奈川から来た男性(大学2年)

「ちゃんと福利厚生とか休みの制度とかしっかりしていて、安心感がありました」

 女性を積極的に採用しようとしている会社も目立ちます。参加者にも女性の姿がみられました。

 鎌倉から来たこちらの女性は、子育ても落ち着き、念願だったバスのドライバーへの就職を目指しているといいます。就職のうえで最も気になるのは…。

鎌倉から参加した女性(40代)

「女性の働きやすさに力を入れているかどうかというのは、とても私の中では判断基準になっています」

 「女性ドライバーにやさしい」と掲げている京浜急行バスのブースへ。説明会ブースで志望動機を聞かれ、このように話しました。

鎌倉から参加した女性(40代)

「案内がとても丁寧な方がいらっしゃいまして、降りる時に『雨なので気をつけてください。お疲れ様でした』って。そんなすてきな方に出会ったことがあって、それがバスの運転手が気になるきっかけではありました」

会社側は女性の働きやすさをアピール。

京急バス担当者

「女性の事務員がいますので、2人の(女性ドライバーの)先輩もいますから、十分活躍いただける場所があると思います」

 この日、5社以上のブースを回った感想は…。

鎌倉から参加した女性(40代)

「会社ごとに特徴を持っているなということがよく分かりました。あと女性の設備でしたり、更衣室とかシャワーのあるない、仮眠できるスペースが確保されているか。(そういう会社が)これから増えていってもらえたら、うれしいなと思います」