温暖化は米経済に長期打撃、資本ストックや消費押し下げ=SF連銀

AI要約

米サンフランシスコ地区連銀が公表した研究論文では、地球温暖化が米経済に長期的な打撃を与える可能性が示された。

研究論文によると、二酸化炭素(CO2)削減の取り組みが行われない場合、猛暑日が増え資本ストックを押し下げるとともに消費を減らすという結果が示された。

特に建設セクターでは労働生産性の低下が顕著であり、これが長期的な経済影響をもたらすと警告されている。

温暖化は米経済に長期打撃、資本ストックや消費押し下げ=SF連銀

[サンフランシスコ 28日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀は28日公表した研究論文で、地球温暖化が米経済に長期的な打撃を与えることを数値化して示した。

同連銀のシニアエコノミストとウィリアムズ・カレッジの2人の教授が共同執筆したこの論文によると、二酸化炭素(CO2)削減の大規模な取り組みがなされないシナリオの下では、将来的に猛暑日が急増し、2200年までに米国の資本ストックを5.4%押し下げるとともに、毎年消費を1.8%減らしてしまうという。

彼らが前提としたのは、屋外での作業が熱中症につながる年間日数が20年の22日から2100年には80日に増えるとの科学者の試算。その上で、多くの製造業やサービス業と異なり、エアコンの恩恵を受けられない建設セクターの労働生産性が低下する公算が大きいと予想した。

特に建設セクターを取り上げたのは、農業や鉱業といった他の屋外労働よりも米国の国内総生産(GDP)や投資に占める比率が高いため。

論文は「建設労働の生産性低下は資本の蓄積を遅らせて、マクロ経済的な展開に長期持続的な影響をもたらす」と結論付けた。

極端に暑い日が2100年までに年間125日に増えるという、より確率の低いシナリオの場合、建設労働の生産性は一層低下し、2200年までに資本ストックは18%、消費は7%減るとみている。