〔東京外為〕ドル、156円台後半=米長期金利低下で下落(27日午前9時)

AI要約

27日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場は156円台後半に下落。米国時間では買い優勢から利食い売りで156円80銭近辺へ下落し、終盤は157円近辺に戻った。

神田真人財務官は為替の過度な変動に介入を含む適切な措置が許されているとの考えを示し、鈴木俊一財務相は為替に関する合意を再確認したが、市場は反応しなかった。

週明けの東京市場は値動きが期待できない状況で、157円前後でのもみ合い展開が予想されている。

 27日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利低下などを受けて1ドル=156円台後半に下落した。午前9時現在は、156円85~85銭と前週末(午後5時、157円04~06銭)比19銭のドル安・円高。

 前週末の米国時間の序盤は、4月の米耐久財受注が前月比0.7%増と市場予想(ロイター調査)の0.8%減を大きく上回ると買いが優勢となり、157円10銭台へ水準を切り上げた。中盤に向けては、5月の米ミシガン大消費者景況感指数の確報値が69.1と前月の77.2から低下したことを受けて利食いや調整の売りが膨らみ、156円80銭近辺へ下落。終盤は、利下げ観測後退を受けた買い戻しで157円近辺に切り返した。27日の東京早朝は米長期金利の低下を背景に売りが先行し、一時156円70銭台に下落したが、その後は156円90銭前後に戻した。

 神田真人財務官は先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議出席のため訪れたイタリアで取材に応じ、投機などによる為替の過度な変動に対して、介入を含む適切な措置が「許されている」との考えを示した。また、鈴木俊一財務相はG7後の会見で、為替の過度な変動が経済に悪影響を与え得るとする為替に関する合意を再確認したと明らかにしたが、いずれもドル円相場は反応を示さなかった。

 週明けの東京市場は、方向感が出なかった前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、157円前後でもみ合う展開が予想される。手掛かり材料が乏しい上、「英米の休場で市場参加者が少なく、値動きは期待できない」(外為仲介業者)との見方が多い。

 ユーロは対円、対ドルで上昇。午前9時現在、1ユーロ=170円12~14銭(前週末午後5時、169円98~170円00銭)、対ドルでは1.0846~0846ドル(同1.0824~0824ドル)。