障害がある23歳画家の「灼熱のパイナップル」、日本酒ラベルに…地元酒造「ぴったりだ」と打診

AI要約

埼玉県川越市の「小江戸鏡山酒造」が、夏季限定の日本酒のボトルラベルに、障害を持つ画家・古川舜一さんの作品を採用。売り上げの一部は古川さんの収入に充てられる。

日本酒は「鏡山純米大吟醸生酒」で、パイナップルのような香りが特徴。夏にぴったりな商品。

ボトル裏面には古川さんの作品を見るためのQRコードが印刷されており、工夫されている。

 埼玉県川越市の「小江戸鏡山酒造」が、夏季限定の日本酒のボトルラベルに、障害を持つ市内の画家・古川舜一さん(23)が描いたアート作品を採用した。日本酒の売り上げの一部は古川さんの収入に充てられる。同酒造の五十嵐昭洋専務(47)は「お酒を手に取った多くの人に、障害者アートの存在を知ってもらい、支援の輪が広がれば」と話している。

 夏季限定で販売される日本酒は「鏡山純米大吟醸生酒」。特別な酵母によりパイナップルのような香りがするのが特徴で、冷やすと夏にぴったりな商品だ。

 ボトルにアートを取り入れたのは、障害者アートの支援団体「川越リアートプロジェクト」が昨年開いたイベントがきっかけ。参加した五十嵐専務が、古川さんの作品「灼熱(しゃくねつ)のパイナップル」を見て、「うちの日本酒にぴったりだ」とラベル化を打診した。

 灼熱のパイナップルは、大きなパイナップルが強いタッチで描かれ、赤い背景に映える作品となっている。自閉症と重度の知的障害がある古川さんは、色彩豊かな作風を得意とし、全国公募展で2度の入賞歴を持つ。普段は、果物や魚などをアクリル絵の具などで描き、腕を磨いているという。

 ボトル裏面のラベルには、QRコードが印刷されており、スマートフォンで読み込めば、古川さんがこれまで手がけた作品を見ることができるよう工夫した。同酒造は来年以降も、古川さんの作品を日本酒のラベルに採用する予定だ。

 鏡山純米大吟醸生酒は、同酒造のウェブサイトや、市内外の酒屋など約30店舗で販売している。約300本限定の1・8リットル瓶が1本3960円(税込み)、約1200本限定の720ミリ・リットル瓶が1980円(同)。