乗客の「カスハラ」許さない「従業員守る」とJR西日本の社長 賠償求める相談体制も整備

AI要約

JR西日本は、乗客に対する「カスタマーハラスメント」(カスハラ)を禁止する基本方針を制定した。この方針では、暴力行為や恫喝、執拗な言動、従業員への無断撮影などを定義し、対応策を明示している。

具体的なカスハラ事例が背景にあり、例えば駅の係員への暴言や車掌の車内放送のSNS投稿などが挙げられる。JR西日本はこれらの行為を重く見て、適切な対応を行うとしている。

専門家は、正当なクレームとの線引きが難しいと指摘しつつも、カスハラ対策が重要であると述べている。一方で、正当なクレームへの対応体制も整える必要があるとしている。

乗客の「カスハラ」許さない「従業員守る」とJR西日本の社長 賠償求める相談体制も整備

JR西日本は、乗客などからの著しい迷惑行為といった「カスタマーハラスメント」いわゆる「カスハラ」に対する基本方針を制定した。

【動画で見る】「カスハラに対してしっかり対応」JR西日本が暴力・恫喝・従業員を撮影し投稿する行為などカスハラと定義

JR西日本 長谷川一明社長:

(鉄道は)朝早くから夜遅くまでいろんな場面で人と接する事業。残念ながらカスハラというものに対しては、しっかりと対応していく

JR西日本の基本方針では、暴力行為や恫喝に加えて執拗な言動、それに従業員を無断で撮影し映像をSNSに投稿する行為などを「カスハラ」と定義。

これに該当する行為などがあった場合は、サービスや商品の提供を中止するとしている。

また、被害を受けた従業員個人が加害者に対して賠償を求めるといった民事的な対応を弁護士に相談できる体制も整えている。

JR西日本 長谷川一明社長:

そこで働く社員の安全・安心、そして人権をしっかりと保たれる、確保されることが、いいサービスを提供していくうえでも必須の要件になってきている。行き過ぎたクレーム、不当な言いがかりなどのカスタマーハラスメントと判断される言動が認められた場合は、やむを得ず商品、サービスの提供やお客様対応を中止させて頂き、従業員を守るための毅然とした対応を行う

 この基本方針は、飲食店やホテルなどのグループ会社にも適用され、JR西日本は今後、カスハラの事例を集めたうえで、来年3月までに具体的な対応のマニュアルを作成したいとしている。

JR西日本が「カスハラ」対策に乗り出す。背景に次のような事例が実際にあった。

・列車が遅れたことで駅の係員が暴言を吐かれた

・車掌の車内放送を録音・録画されSNSに上げられる

こういった行為をJR西日本は「カスハラ」と定義して、毅然とした対応を取るとしている。

ただJR西日本も『カスハラ』と『正当なクレーム』との線引きが難しいともしている。

鉄道会社としても対応に苦慮しているところがある。

京都大学大学院 藤井聡教授:

韓国であった『ナッツリターン事件』は、社長の娘さんによるものでしたけど、不当なことというのがありますから、そういうものを避けるというのは絶対必要です。そのためにこういう制度を使うことが極めて大きな一歩になると思います。ただ正当なクレームを受け入れる体制というのは、やっぱりJR西日本さんもしっかりと持っていただきたいので、カスハラのシステムということで、暴力的にカスハラという言葉を使うことは避けていただきたいと思いますね