営業利益は驚異の5兆円、最強トヨタに何があった? 円安だけじゃない「好決算」の理由

AI要約

トヨタが2024年3月期の決算を発表し、過去最高の営業利益を記録したが、販売台数の伸び率は7%に留まるものの、営業利益は2倍近く増加した。

営業利益の伸びは為替変動や原価改善の努力によるものだが、これらだけでは説明できず、約2兆円の利益の源泉は不明。

トヨタの決算を見ると、為替変動による増益や原価改善の効果がわかるが、残りの利益源は謎に包まれている。

営業利益は驚異の5兆円、最強トヨタに何があった? 円安だけじゃない「好決算」の理由

 2024年5月8日、トヨタが2024年3月期の決算を発表しました。トヨタが発表した決算内容で驚いたのは、その数字の大きさです。2023年度の販売台数は944.3万台(前年比107%)、営業利益は5兆3,529億円(前年比196%)で過去最高を記録しました。不思議なのは、前年比で見て販売台数の伸び率は7%に留まるものの、営業利益を2倍近く伸ばしている点です。この異常とも言えるほどの営業利益の伸びは、どこから来ているのでしょうか。

 過去最高の営業利益を達成したトヨタですが、前年比で見ると販売台数の伸び率は7%に留まるにも関わらず、営業利益は2023年度2兆7,250から5兆3,529億円と、2倍となっています。

 他社の状況と比較しても、営業利益の伸びは抜きんでるものがあります。この営業利益の高さの理由はどこにあるのでしょうか。

 最初に考えられるのはやはり為替変動の影響でしょう。実際に、昨年(2022年4月~2023年3月)から今年(2023年4月~2024年3月)にかけて、ドル円は10円ほど円安に進んでおり、こうした為替の影響により、トヨタに限らず日本の自動車メーカー各社の利益は大幅に増えています。

 しかし、トヨタの決算資料によると、為替変動による営業利益の増加分は6,850億円とされています。金額自体は大きいのですが、営業利益が2倍になるほどの押上げ要因となっていないようです。

 一方、ほかの要因としては、資材価格が高騰する中でも原価改善の努力を進め、前年比でプラス1,200億円、またそのほかの取り組みによりプラス2,029億円を上乗せできたと発表しています。

 これらの影響をすべて合算すれば、約1兆円の押上げになりますが、それだけでは5兆3,529億円は達成できません。残り約2兆円の利益はどこからきているのでしょうか、何が理由でここまで伸びているのでしょうか。