英財政赤字、4月は予想上回る 対GDP比で60年代以来の高水準

AI要約

英国の新年度最初の月である4月の財政収支は、予想を上回る赤字となった。選挙を控え、財政状況は厳しい状況にある。

4月の財政赤字は予想を上回り、歳入と歳出が増加した。昨年度の財政赤字は小幅上方修正され、政府の財政目標達成に向けた課題が残っている。

政府は国防費増加や補償措置などで厳しい財政運営を迫られる状況にある。

英財政赤字、4月は予想上回る 対GDP比で60年代以来の高水準

[ロンドン 22日 ロイター] - 英国の新年度最初の月である4月の財政収支は、予想を上回る赤字だった。選挙を控え、スナク政権に減税などの余地が限られていることを示した。

国立統計局(ONS)が22日発表した4月の公的部門純借入額(財政赤字)は国有銀行を除いたベースで205億ポンド(260億5000万ドル)。ロイターがまとめたエコノミスト予想中央値および予算責任局(OBR)の予想(193億ポンド)を上回った。

4月末時点の国内総生産(GDP)に対する比率は97.9%で、前年同月を2.5%ポイント上回り、1960年代初頭以来の水準となった。

歳入が前年比16億ポンド増加する一方で、歳出も31億ポンド増加した。

ONSは昨年度(2023年4月─24年3月)の財政赤字額(見込み)を1214億ポンド(GDP比4.5%)とし、先月の1207億ポンド(同4.4%)から小幅上方修正した。

これは政府の財政計画に基づくOBRの予想を73億ポンド上回る。今年度については872億ポンド(対GDP比3.1%)に縮小すると予想している。

3月にハント財務相が公表した予算案では、政府の財政目標をわずか89億ポンドの差で達成した。しかし、政府はその後、対GDP比2.5%相当への国防費増額計画や、エイズウイルス(HIV)や肝炎ウイルスの混入した血液製剤による薬害への補償措置を発表しており、厳しい財政運営を迫られるとみられる。