世界的に債券高、インフレに歯止めの兆候-カナダCPI鈍化が後押し

AI要約

世界的な債券相場は上昇し、利回りは低下している。

インフレが緩和されている兆候が見られ、特にカナダ国債が目立つ上昇を示している。

ウォラー連邦準備制度理事の発言により、利下げの可能性についての見方が変化している。

(ブルームバーグ): 債券相場は21日、世界的に上昇(利回り低下)。先進国・地域がようやくインフレに歯止めをかけつつある兆候が示されたことが、債券買いにつながった。

この日はカナダ国債の上げが特に目立った。同日発表された4月の消費者物価指数(CPI)が前月に比べて伸びが鈍化した。

米10年債利回りは約4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事が「最新のCPIデータはインフレが加速していないという良い兆候」だと述べたことに反応した。英国は22日に4月のCPIを発表する。

先週発表された4月の米CPI統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月比で6カ月ぶりに鈍化した。米金融当局が近く利下げに踏み切るとの観測から債券相場は当初大きく上昇したが、インフレが十分に抑制されたのか確認がさらに必要との見方に変わり、ここ数日は相場の動きもまちまちだ。

ティー・ロウ・プライスの債券ポートフォリオマネジャー、スティーブン・バルトリーニ氏は「ウォラー理事発言の一部はややハト派的に聞こえた。経済成長に対して少し悲観的な見方を強め、米金融当局の次の動きは利下げだという考えにウォラー氏は傾きつつある」と分析した。

カナダ2年債利回りはトロント時間午前9時15分に、4.15%前後。同日のCPI発表前は4.22%前後だった。英10年債利回りは4bp低下し、4.13%。ドイツ10年債利回りも同じく4bp低下の2.49%となった。

ウォラー理事は利下げ開始には良好なインフレ数値を「あと数カ月」確認する必要があるとの見解を示したが、一部の市場関係者が予想していたほどタカ派的ではなかった。

原題:Global Bonds Rise on New Sign Inflation Is Easing Around World(抜粋)

--取材協力:Constantine Courcoulas.

(c)2024 Bloomberg L.P.