長期-超長期ゾーン平たん化を予想、日銀購入減で-米ウエスタンAM

AI要約

ウエスタン・アセット・マネジメントは日本国債の投資戦略で、長期ー超長期ゾーンのフラット化を見込んでいる。

日銀の動向や金利水準から、市場では利回り上昇の傾向が強まっている。

日銀の緩やかな利上げにより、債券市場では長期と超長期ゾーンのスプレッドが縮小すると予想されている。

(ブルームバーグ): 米資産運用大手フランクリン・テンプルトン傘下のウエスタン・アセット・マネジメントは日本国債の投資戦略で、日本銀行による買い入れ減額や金利水準の観点から長期ー超長期ゾーンのフラット化(利回り曲線の平たん化)を見込んだポジションの構築に取り組んでいる。日銀の追加利上げは年内1回で今秋と予想する。

日銀が13日に国債買い入れオペを減額したことを受け、債券市場では金利先高観が強まり、利回りが上昇。17日の買い入れオペは据え置きとなったが、6月の金融政策決定会合で減額方針が明示されるとの見方は根強い。10年債利回りは14日に0.965%と昨年11月以来の水準に上昇。30年債は17日に一時2.06%と2011年以来の高水準を付た。

10年と30年の利回り格差は足元110ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度で、23年半ばからじりじりと拡大してきた。

木村浩幸日本拠点投資運用部長は、今後は長期と超長期ゾーンのスプレッドが縮小する方向と予想する。「長期ゾーンはこれまで日銀が大量に購入してきたため減額されやすい一方、超長期は買い入れ量が少なく減額されにくい」と指摘。需給面でも超長期債は生命保険会社などにとって魅力的な水準まで利回りが上昇し、投資家の需要が見込まれることから、相対的に金利上昇が抑えられるとみている。

木村氏は、日銀の緩やかな利上げに沿って金利は上がるが、10年債利回りが1%を大きく超えることはないと予想する。一方、既に2%に達している30年債利回りの上昇余地はさらに小さく、10-30年で「だいたい10ー20bpくらいフラットニングするイメージだ」と語った。追加利上げは秋ごろ、15bpの幅で政策金利は0.25%になると想定する。ウエスタンAMのグループ全体の運用資産総額は3月末時点で3854億ドル(約60兆円)。

現在「6兆円程度」としている国債買い入れの減額については、日銀の植田和男総裁が金融政策の能動的な手段とすることを否定しており、「市場にサプライズを与えるのを避ける方向でコミュニケーションを図っていく」と予想。6月や7月といったタイミングで一気に5兆円まで減額する可能性は低く、「市場動向を見ながら、慎重なペースで減額する」とみる。