サムスン電子、スト主導した印工場の労組組合員ら提訴

AI要約

サムスン電子のインド現地法人が、チェンナイの家電工場での11日間のストライキを主導した労働組合を提訴した。

サムスンのインドでの年間売上高の3分の1を稼ぐ工場で数百人の従業員が賃上げと労組結成を求めてストライキを行っている。

労組の活動が工場の操業を妨害し、サムスンの懸念する安全リスクをはらんでいると裁判所に主張されている。

サムスン電子、スト主導した印工場の労組組合員ら提訴

Praveen Paramasivam Aditya Kalra Munsif Vengattil

[チェンナイ 19日 ロイター] - 韓国サムスン電子のインド現地法人が、インド南部タミルナド州の州都チェンナイ近郊の家電工場での11日間のストライキを主導した労働組合の組合員らを裁判所に訴えたことが分かった。提訴は今月12日付で、労組と組合員による工場内と周辺での扇動行為や演説などを差し止めさせる仮処分の実施を求めた。

この工場はサムスンのインドでの年間売上高約120億ドルのうち3分の1を稼ぎ出している。数百人の従業員が今月9日以来、賃上げと労組結成の承認を求めて仕事を中断し、近くに設けた仮設テントで抗議している。

サムスンでの抗議行動は、外国からの投資を呼び込み、国内での電子機器生産額を6年間で3倍の5000億ドルへ引き上げることを目指したモディ政権の製造業振興策「メーク・イン・インディア」構想に影を落としている。

サムスンは裁判所に提出した14ページの非公開資料で、労組の活動が「工場の操業を妨害し、意欲的な従業員の職務遂行を妨げる恐れがある」と主張。そのような活動は「エスカレートする可能性が高く、工場の円滑な機能と従業員の安全を危険にさらす」と記した。

労組の弁護士は、経営側は労働者の要求に同意していないと言及した。サラバナクマール裁判官は、労働者とサムスン経営陣に対して問題を早く解決するように指示した。

サムスンはコメントの要請に応じなかった。サムスンはロイターに対して先週、工場労働者と「早期にあらゆる問題を解決するために」労働者との協議を始めたとの声明を出していた。