【定年直前の新たな挑戦】夫婦でリゾートバイトに応募、充実した第二の人生へ ホテル勤務の肉体労働も「繁忙期は指名でオファーが入るように」と手応え

AI要約

60代夫婦がリゾートバイトに挑戦し、新たな生活スタイルを見つける過程が描かれている。

ミドル・シニア世代でもリゾートバイトが注目される中、経験者のリアルケースからメリットやデメリットが浮かび上がる。

リゾートバイトを通じて、新たな出会いや経験を積みながら人生を充実させる姿勢が示されている。

【定年直前の新たな挑戦】夫婦でリゾートバイトに応募、充実した第二の人生へ ホテル勤務の肉体労働も「繁忙期は指名でオファーが入るように」と手応え

 繁忙期のリゾート地や観光地に一定期間住み込んで働く「リゾートバイト」。これまでは若者を対象とした求人が多かったが、近年40~60代のミドル・シニア世代でも採用されるケースが増えてきたという。仕事に対する考え方が多様化する中で、シニアのリゾートバイトにはどんなメリット・デメリットがあるのか、経験者のリアルケースから探ってみよう──。

 2年前、60才を前に夫婦で初めてリゾートバイトに挑戦したAさん(61才)・妻Bさん(57才)夫妻。

 Aさんは定年直前まで会社員として約30年勤務(営業職)。Bさんは保育園、障害児の学童施設などでパートとして勤務経験がある。現在、圭吾さんの母と夫婦の3人暮らし。

 リゾートバイトを始めたきっかけは、Aさんの勤務先の廃業。2020年、コロナ禍のことだった。

「定年直前ではありましたが悲観しませんでした。これを機に好きに生きてみようかな、と前向きな気持ちでしたね」(Aさん・以下同)

 退職後、しばらくはゆっくりしようと「GoToキャンペーン【※注】」を利用して沖縄旅行へ。

【※注/新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛と休業要請で疲弊した経済の再興を目的とした経済政策(2020年7月22日~12月28日)】

 そのとき、ホテルで働く若い男性スタッフに、「こんな素敵な場所で働けるなんてうらやましい」と声をかけると、「ぼくの場合、リゾートバイトでして、ちょうど今日から働き始めたんです」との返事が。そんな働き方もあるのかと驚き、調べてみた。

「わが家は高齢の母との3人暮らしですから、長期で自宅をあけるのは難しい。『短期で』『夫婦で』『50代以上で』となるとやはり門戸は狭まります。でもあきらめずに探したところ、人材派遣会社を通じ、長野県内のスキーリゾートに夫婦で採用されました」

 採用先はスキー場を併設するホテルで、勤務期間は4日間。ホテルの寮に夫婦で住み、客室清掃、レストランサービスなどをこなした。圭吾さんにとっても緑さんにとっても、すべてが初めての経験だった。

「もともと私たちは旅行が趣味。だからリゾートで働けるのが楽しくて。肉体労働なので疲れましたが、充実感の方が大きかったです」(Bさん)

 長野での経験が自信につながり、その後、静岡県、群馬県など計6か所のホテルや旅館で短期バイトを繰り返した。

「長野のホテルからは、繁忙期になると指名でオファーをもらえるようになりました」(Aさん・以下同)

 20代が圧倒的に多いリゾートバイトだが、ミドル・シニア層は一度採用されれば、雇用先の信頼を得やすい傾向にあるという。というのも、若い世代に比べ社会経験が豊富で責任感があり、いざというときに臨機応変な対応ができるからだ。

「正社員のときに比べれば収入は下がりましたが、これからは自分が楽しいと感じることに人生を預けていきたいと思っています」

 今後は海外でのリゾートバイトにも挑戦したいと目を輝かす。

【リゾートバイト・体験DATA】長野県・志賀高原のホテルの場合

就労期間:4日間

勤務時間:5~22時の間で8時間程度

仕事内容:客室清掃や レストランサービスなど

給与:内緒(長野県ではシーズンによっても異なるが時給1200~1400円が相場)

※女性セブン2024年9月26日・10月3日号