シェブロンCEO、米政府のエネルギー政策は天然ガス敵視と批判

AI要約

シェブロンCEOがバイデン政権のエネルギー政策を批判し、天然ガス業界への攻撃として非難。人工知能向け電源としてのシェールガスの重要性を強調。

ワース氏は、AIの大量消費電力への対応や液化天然ガスの輸出停止に対して経済的な懸念を表明。

天然ガスへの移行の重要性を主張し、石炭からガスへの切り替えは歴史上最大の温室効果ガス排出量削減の取り組みだと述べた。

シェブロンCEO、米政府のエネルギー政策は天然ガス敵視と批判

Sabrina Valle

[ヒューストン 17日 ロイター] - 米石油大手シェブロンのマイケル・ワース最高経営責任者(CEO)は17日、バイデン政権のエネルギー政策について、天然ガス業界への「攻撃」だと呼んで痛烈に批判した。急速に普及する人工知能(AI)向け電源としてのシェールガスの重要性も強調した。

米政府はAIによる大量の電力消費が気候変動関連目標の達成を妨げないようにする方針を打ち出し、先週にはホワイトハウスがAI用データセンター開発と経済・環境目標の整合的な政策を検討する作業部会の立ち上げを表明した。

こうした中でワース氏は、石炭に代わって低炭素のガスで高まり続けるAIセクターの電力需要に対応することの妥当性を訴えるとともに「AIの発展はシリコンバレーの研究所だけでなく、パーミアン盆地のガス田にも依存することになる」と付け加えた。

ワース氏は、今年1月にバイデン大統領が液化天然ガス(LNG)の新規輸出を一時停止したことにも、経済的な発展よりも政治を一段と優先させていると反発した。

同氏によると、LNG輸出凍結はエネルギーコストを引き上げ、信頼できる供給ルートを脅かし、石炭から天然ガスへの移行を遅らせて、温室効果ガス排出量を減らすどころか増やす結果になるという。

米政府は天然ガス業界への攻撃をやめるべきだと同氏は主張。国際エネルギー機関(IEA)のデータで2022年の世界の温室効果ガス排出量の3分の1強を石炭燃焼が占めたと示された点を挙げて、石炭からガスへの切り替えは歴史上最大の温室効果ガス排出量削減の取り組みだと明言した。